双条光華のエンタメ一刀両断!でタグ「花より男子」が付けられているもの

 昨日、今期の連ドラの感想を書いたので、それに続いて他のドラマの感想も書いておく。昼&深夜ドラマで現在視聴中なのは「デザイナー」、「アストロ球団」「ケータイ刑事銭形零(ファーストシリーズ)」「スターライト」の4作。

デザイナー

 一条ゆかり原作の同名コミックのドラマ化。

 現在視聴中のドラマの中ではこの作品が一番面白い。「野ブタ。をプロデュース」「花より男子」よりも良いと思う。30分という枠の中で必ず大きな展開が起こるので、毎回惹き込まれてしまう。1時間の枠でもたいした展開がないドラマも多い中、非常に洗練された構成である。

 また、昼ドラとは思えないほどの豪華なキャストも良い。亜美役の松本莉緒も鳳麗香役の国生さゆりも気品に満ちた迫力があるし、もう一人の主要人物である結城朱鷺役の塩谷瞬も不思議な雰囲気の中に知性をつつみ込んだ様子が伝わってくる。

 亜美と麗香のデザイナーとしてのプライドがぶつかり合い、その中にまたありさ(国本綾)らのモデルとしてのプライドも絡み合っている。それと同時に亜美のスポンサーとなった朱鷺と亜美との葛藤も見所だ。亜美は朱鷺に操られることから逃れようとするが、デザイナーとして麗香の上に立つためには朱鷺の元を去ることは出来ない。朱鷺は亜美の人生のデザイナーなのである。

 明(天野浩成)や青石(乃木涼介)との関係や亜美の出生の秘密、そして朱鷺の目的と彼の過去。物語は中盤を越えたが、まだまだ気になる点はたくさんある。今後もめまぐるしい展開を楽しみにしたいと思う。

アストロ球団

 遠崎史朗原作の同名コミックのドラマ化。

 観ていて自分でも面白いのか良く分からない。つまらないわけではないのだが、のめり込むほどでもない感じだ。超人野球は非常に映像的で面白いのだけど、ストーリー自体はあまり面白くない。

 宇野球一(林剛史)率いるアストロ球団と峠球四郎(金児憲史)率いるビクトリー球団の対決も、単純に両チームの超人的な技術を楽しむというだけで、勝敗がどうなるかということはあまり気にならない(アストロ球団が勝つのだと思うが)。

 そういうドラマだと思えば、ある種のバカバカしさがとても楽しいのだが、一般受けはしないだろう。だからこそ深夜ドラマということか。制作者の気合も伝わってきて、決して悪いドラマではないが、個人的にはあまり好きではない(楽しいことは楽しいのだけど)。

ケータイ刑事銭形零(ファーストシリーズ)

 BS-iで放送された、ケータイ刑事シリーズの地上波放送。

 シリーズとして多くの作品が生まれているが、私が観たのは本作がはじめてである。全体的に評判の良いシリーズのようだが、評判通りの楽しいドラマだった。

 一番良いと思ったのは、新しいドラマを作ろうという意志が見えるところだ。最近の地上波の連ドラは原作に頼りすぎていて、勢いが感じられない。それに対し、本作はシリーズものではあるが、常に新しさを目指しているように思う。

 たとえば、第5話の「キラークイーン殺人事件」は劇中劇というメタミステリ的な趣向の中で、物語が展開していて新鮮だった。上手く処理しきれていない点もあったが、十分に楽しめた。

 また、作品全般にちりばめられたシュールな雰囲気も面白い。零(夏帆)と高村(草刈正雄)のやりとりもテンポが良くて楽しいし、他の登場人物たちも、フィクションであることを前面に押し出した設定で愉快だ。ミステリとしての合理性や意外性も損なわれていないので、ミステリ好きにも楽しめるだろう。

 ただ、ドラマにリアリティを求める人にはお勧めできない。この作品は過剰なまでにリアリティを排除している。もちろん、ミステリとしてフェアであるためのリアリティは残されているが、基本的には、非現実的な状況や人物が多用される。それを見てバカバカしいと切り捨ててしまうような人は、このドラマを観ない方が良いだろう。その意味では、バカバカしさを楽しめる人のためのドラマと言えるかもしれない。

スターライト

 実在するスターライトスタジオを舞台にした青春ダンスドラマ。

 スターライトスタジオを舞台にしていることから分かるように、ヴィジョンファクトリー(旧ライジングプロダクション)のタレントが登場する。その中心はFLAMEの北村悠と野口征吾の二人である。二人の演技は可もなく不可もなくといった感じだが、いかんせんストーリーがつまらない。

 青春ドラマとしての新鮮さがあるわけでもないし、他の部分に魅力があるわけでもない。作品のアピールポイントは何なのだろうか。タレント主導だとしても、もう少しどうにかしてほしい。主演の星井七瀬がかわいそうではないか。なんだか分からないドラマに出演させられて。

 作品を観ていて伝わってくるのは、ヴィジョンファクトリーの焦りである。ジャニーズの強力な圧力によって、タレントを上手く売り出せないでいるという状況でも、w-inds.はそれなりに人気を集めてきた。しかし、その後に続くべきFLAMEやLeadはなかなかファンを得られないでいるようだ。

 そんななかでスターライトスタジオを舞台に、FLAMEを出演させたドラマというのは、どう考えても事務所の宣伝であり、アピールであろう。個人的な意見だが、このようなやり方は一番やってはいけない手法だと思う。ドラマにせよ、小説にせよ、映画にせよ、描きたい内容や場面があってこその作品である。この作品ではそれが伝わってこない。宣伝的な面が強いからではないかというのはうがった見方だろうか。

序盤の感想

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 今期のドラマが始まってから、録画する一方で観る時間がなかったのだが、ここ2週間程度でまとめて観たので、序盤の感想としてまとめておこうと思う。第一話は作品ごとに感想を書こうと思っていたのだが、結局まとめて書くことになってしまった……

 なお、今期視聴している(いた)のは「危険なアネキ」「1リットルの涙」「鬼嫁日記」「ブラザー☆ビート」「花より男子」「野ブタ。をプロデュース」の6作である。

危険なアネキ

 第一話のみの視聴(第三話は録画したがまだ観ていない)。

 第一話を観た感じでは、全体的に空回りしている印象だった。コメディーにしようとしているのは分かるが、なにか空々しい演出であまり笑えない。佐藤二朗、荒川良々、清水ミチコら個性的なキャストを揃えているのだが、コメディーの側面を強調するためだけであるように見えてしまった。月九は月九らしくしてればいいんだ!と言いたくなってしまう。そう言いながら、月九的なドラマの場合はいかにも月九的で面白くないと思ってしまうのだが……

 皆川寛子(伊東美咲)と弟の勇太郎(森山未來)は正反対の性格で、その二人の織り成すドタバタ劇は面白そうだが、借金が絡んできたりとシリアス面をちらつかせるのはあまり好きではない。とりあえず第三話は観るが、その後も続けて観るかは分からない。

1リットルの涙

 実話をもとにしたドラマだが、おそらくかなり脚色されているのだろうと思う(原作を読んでいないので確実ではないが)。にもかかわらず、エンドロールの際にモデルとなった木藤亜也さんの写真を出すというのはあまり賛成できない。しかも、それが純粋に、本当にこのような病気で苦しんだ少女がいるのだという世間へのアピールという感じではなく、視聴者の涙を誘うための演出目的であるように感じられるのがいただけない。エンドロールに本人の写真を入れたことの意図を聞いてみたいものだ。

 ドラマ自体は落ち着いて観られる佳作と言えよう。亜也(沢尻エリカ)も遥斗(錦戸亮)もしっかりとした演技だし、他のキャストも違和感なく演じている。神経内科医の水野(藤木直人)を見ると、「高校教師」を思い出してしまうが、この医師は真面目な人のようなので安心だ。

 ドラマ自体の内容とは関係ないが、ジャニーズのタレントが出ている番組にワタナベエンターテインメント所属のD-BOYSのメンバーである遠藤雄弥が出ていたので、少し驚いた。D-BOYSはジャニーズの圧力を受けていないようだ。やはり歌手ではないからか。もうヴィジョンファクトリーのタレントにも圧力かけなくて良いだろうに。w-inds.だってFLAMEだってがんばってるんだから、Mステとかに出してあげようよ。

鬼嫁日記

 第一話のみで視聴中止。

 久しぶりにひどいドラマだった。最近の関テレはそれなりの作品を作っていたのだが、これはひどい。一話すらまともに見られず、途中で早送りしてしまったのは初めてのことである。

 原作のブログ版も書籍版も読んだことはないが、ドラマ化には無理があったのではないだろうか。話題性の高い原作をドラマ化するという傾向は最近つとにみられるものだが、話題性だけで選ばないでほしい。結果として原作を汚すことにもなるのだから、ドラマ化するのであれば、検討を重ねた上で作ってほしいと思う。

 以前放送された「アットホームダッド」と同じ舞台で物語が展開するという設定は面白い。それを上手く活かしたオープニングも良かった。しかし、肝心のストーリーがダメでは仕方ない。

 山崎一馬(ゴリ)が鬼嫁の早苗(観月ありさ)にいびられるわけだが、その内容が何とも小粒でつまらない。しかも、なんだかんだ言って二人は仲良さそうだし。どうでもいいような夫婦の話を聞かされても楽しみようがない。やるならもっと派手にしてほしいものだ。

 また、演出も安っぽさが感じられて良くない。いつの時代のドラマなんだか。わざと安っぽい演出にしているのならまだ救いがあるが、そうだとしても、意図的であることが伝わらなければダメだろう。

ブラザー☆ビート

 イケメン俳優の共演で、人気が出るかと思ったが、それほど話題にはなっていないようだ。「渡る世間は鬼ばかり」の後釜というのがネックだったのだろうか。

 確かにずば抜けた魅力はないが、小松江里子・伊藤一尋コンビだけに、安定したレベルは保たれている。春恵(田中美佐子)の男っぽさが楽しいし、達也(玉山鉄二)・陸(速水もこみち)・純平(中尾明慶)の三人兄弟も微笑ましい。

 第4話までの流れを見ていると、長男→次男→三男→長男→次男→…という順番で一話ごとに中心人物を変えながら物語が進んでいくようだ。三人ともそれぞれ違った性格でぶつかり合うこともあるが、互いに補い合っているという面の方が強い。その三人と春恵の四人のやりとり(実際には、その中の一人に対する他の三人のやりとり)が視聴者と同じ目線であるのが面白い。家族であっても、当事者でなければ他人事のように眺めてしまうという感覚なのだろう。

花より男子

 岡田准一主演「メゾン・ド・ヒミコ」が放送される予定だった枠だが、主題歌をめぐり、TBSとジャニーズがもめた結果、急遽「花より男子」に変更されたという報道もあったいわく付きの作品である。その割には松本潤が準主役で出演している。まあ、TBSからジャニーズの全タレントが引き上げるなどという憶測も呼んだが、上手く収まったのだろう。

 原作のおかげもあってか、面白いドラマになっている。細かい部分にはツッコミどころ満載なのだが、それらに目をつぶれば十分に楽しめる。

 金持ちが集う学校の中でも格が違うF4の4人。その中心人物である司(松本潤)の言動を見ていると、あまりに矛盾が多いような気がする。しかし、よく考えて見れば、彼はまだ高校生なのだ。どんな高級車に乗っていようとも、高校生は高校生。つくし(井上真央)への想いに気付いた後の行動などは何ともかわいらしい。つくしの方がよっぽど大人だろうと思う。

 ただ、司が自分の気持ちに気付くのが早すぎるような気がする。もう少し伸ばしても良いのではないだろうか。これは、「野ブタ。をプロデュース」の修二に関しても同様であるが、それまでの描写から考えると急展開すぎる印象を受けた。もちろん、つくしへの想いに気付いてからが面白い部分ということなのだろうから、無駄に伸ばす必要もないのだが、それならそれで、違和感を抱かないぐらいの伏線を入れておいてほしい。姉の椿(松嶋菜々子)の一言で、一気に積極的になってしまうとは。それだけ「単純バカ」だという受け取り方で良いのだろうか。ちょっと、はじめの頃の冷徹な印象とはギャップがありすぎる。

 今後は子供っぽいマヌケキャラとしての司と、大人っぽいしっかりキャラのつくしのコンビで笑わせてくれるに違いない。楽しみにしよう。

野ブタ。をプロデュース

 放送開始前から話題をさらったが、放送開始後も主題歌が出荷100万枚を突破するなど、今期で一番注目されているドラマだろう。「ごくせん」「女王の教室」に引き続き、高視聴率を記録することになりそうだ。それにしても、最近の日テレ土曜9時枠は大健闘している。今さらながら日テレブランド確立か。

 ストーリー自体も面白い。ジャニーズ二人組に寄りかかった作品かと思っていたが、予想以上に良くできている。テンポの良さは抜群だし、主要人物のキャラクターもブレがなくて安心できる。ただ、あのカッコイイ制服はズルイ!と思うのは私だけではないだろう。

 はじめは、彰(山下智久)のキャラが良く分からなかったのだが、見ているうちに惹き込まれてしまった。修二(亀梨和也)が自分を冷静な人気者にプロデュースしているように、彰も自分をプロデュースしているのだろう。彰は周囲に嫌われているが、彼自身はとても楽しく学校生活を送っている。そして、何ものにも縛られていない。一方の修二は確かに人気者だが、それゆえに彼は八方美人でいなくてはならず、実は不自由な生活の中にいるのである。家の中で見せる彼の自然な姿の方が魅力的に感じるのだが、学校では自分を演出しなくてはいけないという一種の強迫観念が彼の中にあるのかもしれない。

 信子(堀北真希)がどういう気持ちで学校生活を送っているのかは分からないが、彼女自身は非常に強固な心を持っているようだ。彼女がいじめられ続けるのは、彼女自身の強さゆえに、いじめをそれほど苦にしていないからではないだろうか。彼女の強さを持ってすれば、いじめられっ子でなくなるのは大変なことではないように思う。彼女は「変わりたい」と言ったが、その気持ちはあまり強くはなかったのではないか。現状でも良いという気持ちが心のどこかにあったのではないか。だから変わらなかっただけなのではないか。そんな気がする。それが、おそらく恋愛によって、切実な変身願望へと昇華するのだろう。

 高校を舞台にした学園もののドラマだが、その世界は不思議な浮遊感の中にある。不思議な人物が登場したり、不思議な行事が行われていたり。非日常的な日常空間の中での青春友情物語はありきたりに見えて、非常に新鮮である。このレベルの作品をオリジナル脚本で生み出してくれれば、学園ドラマの未来は明るいと思うのだが、原作依存の傾向は今後も続くのだろうか。

まとめ

 ということで、現段階では「野ブタ。をプロデュース」「花より男子」が一歩先を行っている感じだ。それを追うのが「1リットルの涙」「ブラザー☆ビート」といったところか。

 ただ、今期は全体的に低調なようなので、あまり期待しないのが賢明かもしれない。

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