双条光華のエンタメ一刀両断!でタグ「男性タレント」が付けられているもの

「勇気…予測不能の脱出!」

 相変わらず、重い物語が展開しているが、空回りしている印象が強い。

 竹虎(小池徹平)とリカ(末永遥)は芸能事務所の男たちによって、樹海に埋められてしまうが、いとも簡単に地上に出てきてしまう。まさに、裏で操っていた落合(橋爪遼)が言ったとおりで、殺してから埋めるとか、海に沈めるとか、もっと確実な方法をとるべきではないか。物語の展開上、二人が助からないといけないのは分かるが……

 子どもの頃のリカが母親(春木みさよ)にフォークを突きつけて以来、母親はリカを恐れ、無視し続けてきたという設定も、非常に浅薄な気がする。きっかけとしては考えられなくもないが、親子関係を元に戻す方法はいくらでもあっただろうに。そのため、本来であれば感動的であるはずの母娘の和解シーンでもカタルシスは得られなかった、作品にネタを詰め込みすぎた結果、それぞれが薄っぺらくなってしまったのではないだろうか。

 この作品の本当の物語は、落合と竹虎やさくら(真矢みき)の対決である。今回の終盤で、落合は竹虎に「本当の恐怖はこれからだよ」と言い放った。落合は何を企んでいるのか、落合がこれほどまでに力持っているのはなぜなのか、フィナーレに向けて動き出した物語最大の事件がどう描かれるのか期待したい。

 あまりしっかりと見ていないので、前回は気づかなかったが、へルタースケルターの副ヘッドで裏切りモノの五十嵐は桐山漣が演じてたのか。かわいらしい役が多かったような気がするが、悪役(?)も結構ハマってたなぁ。

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「優等生の反乱…明かされた秘密」

 “受験勉強”をめぐり、羽菜(谷村美月)と大和(冨浦智嗣)の二人のすれ違いと葛藤が描かれたが、学年トップの成績である羽菜が、突然「進学しない」などと言い出してしまうのは、短絡的すぎて違和感があった。きっかけがあったにせよ、これほど急にその日暮らし的な考え方に切り替わってしまうとは……

 見せ場を作るためか、羽菜の言動は多少整合性がないようにも感じられたが、それこそが、彼女の年代における心のゆらぎなのかもしれない。逆に、大和は将来を見据えた計画的な考えを持っており、今を楽しもうとする羽菜と未来の明るさを求める大和とのズレがうまく描かれていた。

 学校で学んだことに実用性はあるのか。実用性がないならば、なぜ勉強する必要があるのか。羽菜の疑問に対して、朔太郎(織田裕二)は「ハチドリのひとしずく」のエピソードを持ち出して、勉強は宝探しであると説いた。つまりは、受験勉強とは実用性がない無駄なことなのだと認めたのである。湘南学館は、その受験勉強を重視した結果、必修科目の未履修が問題となっている。受験勉強という無駄の先に、宝がある。朔太郎は、生徒たちにどんな宝をもたらすのだろうか。

 それにしても、冨浦智嗣は相変わらず声が甲高い。その声のおかげで中性的なかわいらしさが強調され魅力的だったのだが、高校生役ともなると違和感の方が強くなってくる。この先、どんな役柄がはまりそうか、なんとも想像がつかない。良い役に出会えるといいけど。

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 中間レビュー第2弾。にしても、完全に出遅れてしまい、最終回が近くなってしまった……。
 今回は、「四つの嘘」「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」「恋空」の3作品。

 前回の記事もぜひ「2008年夏季ドラマの感想(1)」

四つの嘘

 第7話まで視聴済み。
 脚本家・大石静による小説『四つの嘘』(幻冬舎文庫)を原作として、大石自らの脚本によりドラマ化された作品。視聴している夏季ドラマの中では一番見応えがある。

 女子校の同級生、原詩文(永作博美)・西尾満希子(寺島しのぶ)・灰谷ネリ(高島礼子)の3人は、同じく同級生の戸倉美波(羽田美智子)の死をきっかけに再会することから物語が始まる。3人の女性たちを中心に、生々しい人間関係が描かれており、シンプルな構成ながらも非常に見応えがあって引き込まれる作品になっている。

 ただ、美波の死が物語を始動させるきっかけである必然性が感じられない。前半の美波の死にまつわる展開(不倫相手との死など)と、後半の3人それぞれの物語との関連性が薄いように思えるのだ。冒頭の美波の死は、視聴者を惹きつけるという意味では効果があるだろうが、その後の展開への影響が少ないために、お飾りのようにしか感じられない。彼女のモノローグも必要性はなく、そもそも、美波という人物の存在意義すらも疑われるような構成なのである。

 「四つの嘘」というタイトルで、4人の女性を中心に据えた物語ということであれば、当然「四つの嘘」=「四人の嘘」というように結びつけられる。私も、当初はそのように考えながら、観ていたのだが、それは作者のミスリーディングだということに気づいた。四人の中でも“魔性”と呼ばれ、多くの男を魅了してきた詩文は、全くと言って良いほど嘘をついていないのである。
 詩文は、常に冷静でありながら、自分の考えに忠実に生きている。そこに、裏の思惑や狡猾さは感じられない。詩文と比べると、普通の主婦である満希子の方が醜いのである。詩文は、自分の意志を強く持ち、常にそれを信じ、それに忠実に生きてきた。そんな詩文に男性たちは魅力を感じ、その結果、“魔性”と呼ばれるようになったのだろう。
 だが、詩文自身には、男をたぶらかそうなどという、つまらない考えもなく、愛するまま、愛されるままに生活してきただけなのだ。本質的に“素直”な生き方をしてきた詩文が“魔性”と呼ばれてしまうというのは、現代社会に対する皮肉なのではないだろうか。
 ちなみに、美波のモノローグの中で「詩文は嫌な女だったけど、天国から見ていると意外と筋が通っている」というような部分があったことから、作者が意図的に詩文という人物を配置しているのは明らかだろう。

 さて、注目すべきキャストとしては、西尾家の家庭教師・大森基を演じる崎本大海を挙げておこう。作中の役柄は東大生だが、崎本自身は、慶應義塾大学に在学中。アメーバブログでブログを書いている若手俳優によって結成されたユニット「PureBOYS」のメンバーでもある。知的な雰囲気を醸し出しつつ、どことなく裏のありそうな表情が良くでている。今後の活躍については未知数だが、期待したい。

コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命

 第9話まで視聴済み。
 「医龍」「救命病棟24時」などを手がけた脚本家・林宏司によるフライトドクターを描いた医療ドラマ。手慣れた作りで、飽きることなく楽しめる作品。

 ドクターヘリによるダイナミックな映像と、緻密な人物描写により、見応えのある作品になっている。毎回冒頭に「前回までのコードブルー」というナレーションが入るところからしても、「24」などの海外ドラマを意識しているらしく、登場人物一人一人のエピソードも充実しており、緊迫感ある構成にもなっている。

 藍沢耕作(山下智久)の祖母のエピソードや、黒田脩二(柳葉敏郎)の事故など、医療現場における厳しさを濁すことなく、描いているところには好感を覚える。

 藍沢役の山下智久をはじめとして、白石恵役の新垣結衣、緋山美帆子役の戸田恵梨香、藤川一男役の浅利陽介、冴島はるか役の比嘉愛未など、若手のなかでも演技力のあるメンバーに加え、黒田役の柳葉敏郎、田所良昭役の児玉清や三井環奈役のりょうなどのベテランも充実しており、安心してみられる。映像表現の美しさも魅力といえよう。

 山下智久は冷静で無口な役柄がよく似合っている。ちなみに、公式サイトには、山下の画像も掲載されているが、他の出演者とは異なり、イラストタッチに加工されているのがなんとも……。ジャニーズ事務所もいい加減、普通に写真を掲載できるようにすべきだと思うが。

恋空

 第2話まで視聴済み。
 美嘉によるケータイ小説『恋空』(スターツ出版)を原作とした作品。すでに映画化もされており、目新しさはない。

 原作のファンにとっても、相次いでの映画化・ドラマ化は食傷気味なのではないだろうか。実際、視聴率は5%程度と苦戦している。私は、原作も映画も見ていないが、人物設定や描写に違和感を感じ、あまり楽しめていない。

 美嘉(水沢エレナ)はどのような性格なのだろうか?比較的まじめな女子高生かと思っていたら、強引なヒロ(瀬戸康史)にあっけなく恋をして、タツヤ(永山絢斗)から離れてしまった。美嘉の心の中は分からなくもないが、ヒロと付き合い始めるまでの描写があまりにサラッとしていたため、違和感を感じてしまう。まじめな性格であるならば、ヒロと付き合おうと思うまでには様々な葛藤があるだろうに。
 物語の表面的な展開をなぞるだけではなく、きちんとした心情描写をしてほしいものだが、この作品に、それを求めるべきではないのだろうか。

 瀬戸康史には優しさと頼りなさを感じてしまい、ヒロ役には似合わないような気がする。永山絢斗は「パズル」に引き続き、味のある雰囲気がなかなか良い。二人とも今後に期待したいが、瀬戸康史にとっては、本作がマイナスの評価につながってしまうのではないだろうか。

 KAT-TUNのCDデビューについて何か書こうかと思っていたら、NEWSの活動休止が発表されてしまった。触れないわけにはいけないので、KAT-TUNに関してはまた今度。

 未成年メンバー(17)の飲酒疑惑が報じられた人気グループNEWSについて、所属事務所「ジャニーズ事務所」は3日、グループとしての活動を5月以降、休止させることを発表した。3、4月に予定されている全国ツアーおよびCDの発売については、中止とした場合に「準備が進んでおり、関係各位に迷惑をかける」とし、残る6人のメンバーで行うが、ツアー終了後には年内の活動停止に入る。なお、当該の未成年メンバーについては「年内に限らず当分の間、芸能活動を自粛する」とした。

 "連帯責任"でグループとしての活動にケジメをつけた。ジャニーズ事務所はFAXで「各位をはじめファンの皆様方に多大なご迷惑をおかけした。今回の事態を重く受け止め、年内のNEWSとしての活動を休止とさせていただく」と発表した。

 一部でうわさされたグループの解散について事務所は、「ない。あくまでも活動休止」と説明。また、未成年メンバーのグループ脱退についても否定した。

 〔後略〕

 NEWSとしては5月以降年内活動休止、今回問題を起こした草野は「当分の間」活動自粛ということらしい。ファンにとっては残念かもしれないが、事務所にとっては最良の措置だろう。

 ということで、活動休止という措置の事務所にとってのメリットをみていこうと思うが、その前に、ジャニーズ事務所の公式サイト「Johnny's net」に掲載された文章を引用しておく。

今後の NEWS の活動について

 平成18年2月3日

 NEWS の未成年メンバーの未成年者飲酒等を内容とする報道に関しましては、現在も、事実関係を鋭意調査中ですが、ここに今後の NEWS の他のメンバーの活動について、ご報告いたします。

 NEWS につきましては、今回、各位をはじめファンの皆様方に多大なご迷惑をおかけしたことから、3月に予定されておりますツアーの催行、およびCDの発売については、その中止を含め慎重に検討させていただきました。 その結果、同ツアー、およびCDの発売につきましては、すでに準備が進んでおり、中止とした場合、関係各位にさらにご迷惑をおかけしてしまうことや多くのファンの方のご希望もあることから、いずれも予定どおり行なうことと決定いたしました。 もちろん、今回の未成年メンバーにつきましては、すでにお伝えのとおり、当分の間芸能活動を自粛いたしますので、いずれについても同人は参加せず、6人のメンバーで行うこととさせていただきます。

 そして、今回の事態を重く受け止め、上記ツアー終了後、年内の NEWS としての活動を休止とさせていただく予定です。

 関係各位、およびファンの皆様には、改めて多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫びするとともにご報告申し上げます。

メリット1 飲酒疑惑報道の幕引き

 何と言っても、これが一番大きなメリットである。活動休止というインパクトの強い処分をすることによって、飲酒疑惑に関してはうやむやなまま終わらせることができるだろう。「鋭意調査中」などと言っているが、ビデオを手に入れれば良いだけなのだから、それを持っている出版社などに頭を下げればそれで済むではないか。それをしないのは、調査などするつもりがないからとしか考えられない。

 結局、飲酒の有無に関しては明らかにしないまま、なんとか幕を引いてしまおうということなのだろう。さらには、その先にある「破廉恥プレイ」に関しても黙殺するに違いない。

 NEWSが活動休止となれば、たとえ今回の飲酒騒動の調査結果を発表したとしても、マスコミも取り上げる必要性は低くなる(そういう言い訳ができる)。結果として、報道されない(というか、その前に調査結果を発表しないだろうけど)。素晴らしい隠蔽工作ではないか。

メリット2 山下智久ソロ活動重視へ

 NEWSの中で事務所にとって重要なメンバーは、山下智久・錦戸亮・内博貴(活動休止中)の3人であろう。だが、後者2人は関ジャニ∞のメンバーでもあるので、実質NEWSは山下智久をバックアップするためのグループと見ることもできる。

 もともと、山下はソロ活動ができるだけの人気があるので、事務所としても、ソロ活動に力を入れたいという気持ちはあっただろう。今回の活動休止で、ソロ活動重視の理由付けができたわけだから、可能性としては、山下智久ソロCD発売なども考えられる。修二と彰も売れたことだし、このタイミングでのソロデビューは悪くない。

 実際にソロデビューするかどうかは分からないが、ドラマ以外のソロ活動も行う可能性は高いだろう。

メリット3 KAT-TUNを前面に

 KAT-TUNのCDデビュー発表直後のこの一件。少しでも波紋を小さくするための手段として、事前にデビューを発表したのではないかと勘ぐられても仕方がないような絶妙のタイミングである。

 NEWS活動休止で最も恩恵を受けるのはKAT-TUNなのではないだろうか。すでにジャニーズ事務所のKAT-TUNシフト的な体制は見られていたが、その傾向はより一層強まるだろう。NEWSがレギュラーで出演するテレビ番組はないが、KAT-TUNには「歌笑HOTHIT10」があるし、以前には「KAT-TUN×3」という冠番組も放送されている。デビューとなれば、新しいレギュラーを持つ可能性もある。

 活動休止によってNEWSのファンが、KAT-TUNへと移行するかもしれない。順風満帆なデビューを後押しする強い風になるのではないだろうか。

メリット4 そしてYa-Ya-yahも

 KAT-TUNの後に控えているYa-Ya-yahにとっても、NEWSの活動休止は追い風になるのではないだろうか。本格的なデビューはまだだとしても(CDデビューはしているけど)、「少年倶楽部」でメインになる可能性はある。当然、KAT-TUNや関ジャニ∞が中心になるだろうが、彼らが他の仕事の関係で出演できないとなれば、Ya-Ya-yahに回ってくるかもしれない。

 そもそも、Ya-Ya-yahは冠番組「Ya-Ya-yah」を持っているわけだが、そのYa-Ya-yahの番組に、NEWSのメンバー数名がレギュラーとして出演しているというのは、何となく転倒しているような気もする。それを考えると、すでにNEWSのポジションというのは微妙なのではないだろうか。そして、さらに微妙なポジションになっていくのではないだろうか。

メリット5 NEWS活動再開という一大イベント

 今回の報道によれば、来年早々にNEWSは活動を再開するようだ。これは、一つの大きなイベントになりうるだろう。

 となれば、当然それを売りにして、セールスを上げることを目指すのではないか。ファンにとっては一年ぶりぐらいの新曲になるわけだし、メディアも大々的に取り上げ(取り上げさせられ)、デビュー時同様の売り出しをするかもしれない。

 「一年間の活動休止を乗り切って」というようなキャッチコピーと、大学進学率の高さをもって、「いろいろ苦労したけど、しっかりとがんばっている真面目なグループ」的な印象を強め、新たなファンを獲得する。事務所関係者の頭の中にはそんなシナリオが渦巻いているのではないだろうか。

メリット6 内博貴復帰のタイミング

 内博貴はいつ復帰するのか。NEWSか関ジャニ∞のどちらかの活動の中で復帰するということになるだろう。

 NEWSの方から復帰するとなれば、NEWS自体の活動再開と同時に復帰という相乗効果が得られるタイミングになるだろう。同時復帰であれば、飲酒問題に触れられるのも一度で済むし、ファンからすればイベント感が高まることだろう。

 一方、関ジャニ∞から復帰する場合も考えられる。関ジャニ∞は、NEWSほどには一般に認知されていないので、かつての飲酒問題についてもあまり大きく取り上げられないままに復帰できるだろう。その復帰時にNEWSが活動休止していれば、より一層彼の復帰の話題性は低くなる。いつのまにか復帰、というベストな状況になるのではないだろうか。

メリット7 ジャニーズ事務所の責任回避

 私の基本的なスタンスは「事務所憎んでタレント憎まず」である。もちろん、タレントにも問題はあるだろう。しかし、特に若いタレントを扱うプロダクションというのは、彼らの教育や管理を徹底しなくてはいけない。だが、ジャニーズ事務所はその部分が大きく欠けているように思う。問題が起これば、全てタレントの責任として、事務所としてはなんのお詫びもしない。それは、今回も同様である。

 〔前略〕

 同グループについては、別の未成年メンバーが昨年、フジテレビの女性アナウンサーと飲酒した後に補導され、無期謹慎中。事務所では、「同じグループで二度も同じようなことが起こり、責任は重大」として、活動休止を決めた。

 〔後略〕

 「責任は重大」なのは、NEWSではなく、ジャニーズ事務所ではないのか。会社の社員が不祥事を起こしたら、その社員が悪かったですで終わらせられるだろうか。状況にもよるが、普通は、会社としての謝罪が行われ、代表者などが辞任する場合だってある。NEWSのメンバーの不祥事に対して責任を負うべきなのは、他のメンバーではなく、事務所であり、さらにその代表者、すなわち、ジャニー喜多川(喜多川擴)なのではないか。

 確かに、上で引用した、ジャニーズ側の発表の最後にはお詫びの言葉も述べられている。しかし、それは決まり文句のようなものでしかない。結局は、NEWSに責任を押し付けているのである。

 このような考え方が事務所の上層部にある限り、NEWSのメンバーは減り続けるかもしれない。本当にファンやタレントのことを大事だと考えているのなら、もっと違う対応ができるのではないだろうか。いいかげんに反省してもらいたいものである。

 いやはや、また飲酒騒動とは忙しい。つい先日、KAT-TUNのCDデビューが大々的に発表されただけに、タイミングが悪いというか、良いというのか……。

 ジャニーズ事務所は1月31日、人気グループNEWSの17歳のメンバーBの芸能活動を当面自粛することを発表した。Bはこの日発売の月刊誌で飲酒したと報じられた。自粛期間は未定。

 同事務所によるとBは「飲酒はしていません」と否定しているが事務所側は「誤解を招く行動を起こした」として活動自粛の処分を下した。さらに「現在事実関係を鋭意調査中」とし、調査が終了した段階であらためて見解を示す。

 Bは今春から、自己推薦入試で合格した都内の有名私大に進学する予定。所属事務所関係者は「本人が飲酒していないと話していることもあって、現段階で進学への影響はなさそうです」と話している。

 飲酒騒動を報じた月刊誌によるとBは昨年秋、制服姿で女性と都内のカラオケボックスに入り、歌唱を楽しんだという。盗撮したと思われる映像には、テーブルの上のチューハイや発泡酒の缶などが写っている。Bが缶を口元に運ぶ場面も掲載されている。

 NEWSは昨年7月、ほかのメンバーAが飲酒により補導され、芸能活動の無期謹慎処分を受けている。Aの復帰時期は現在も未定のままだ。

 同事務所は多くの未成年タレントを抱えている。これまでも飲酒や喫煙が明らかになったタレントを解雇するなど、厳しい処分を下してきた。今回も本人は否定するもののタレントとしての自覚の欠如を重く見ている。「関係各位及びファンの皆さまには多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわびします」と書面で謝罪している。

 私は、この写真が掲載された『BUBKA』等は見ていないが、ジャニーズの発表によれば、草野本人であることは間違いないということだ。上記記事中に出てくるAというのは、内博貴のことで、いまだ謹慎が続いている。そのような状況の中で、さらに飲酒問題が浮上するというのは、一体どういうことなのだろうか。事務所にも問題があるし、草野本人にも問題がある。同じグループのメンバーが謹慎しているというのに、何の自覚も反省もなかったということだろう。

法政大学合格取り消しの可能性

 内の場合は、ドラマ「がんばっていきまっしょい」の主要キャストとして出演していたため、周囲に与える影響が大きかった。だが、草野の場合は大学への進学が控えていたこともあり、ドラマの出演等はなかった。その点ではまだましだったと言える。ただ、自己推薦入試で法政大学に合格したとはいえ、今回の一件で合格取り消しになる可能性は高い。

 記事中には、「所属事務所関係者は「本人が飲酒していないと話していることもあって、現段階で進学への影響はなさそうです」と話している」とある。このコメントは詭弁のような印象を受けるが、かといって否定は出来ない。「現段階」ではまだ影響がないということ自体は事実だからだ。だが、どんなに「本人が飲酒をしていない」と主張したとしても、それはなんら意味のないことである。重要なのは、本人がどう言っているかではなく、事実がどうであるかということだ。

 もしも草野の飲酒が事実であれば、法政大学としても自己推薦で受け入れることは出来ないだろう。

有名私立大学とジャニーズの思惑

 最近、ジャニーズのタレントが有名私立大学への進学を決めることが増えている。「NEWS」のメンバーを見ても、山下智久・小山慶一郎が明治大学、加藤成亮が青山学院大学、手越祐也が早稲田大学、そして草野博紀が法政大学と、有名私立大学のオンパレードと言えよう(後者3人は進学予定)。これ以外にも、ジミーMackyが早稲田大学に合格したことも記憶に新しい。

 高校時代から芸能活動を続けているタレントは、大学に進学しない場合も多い。進学したとしても、いわゆる有名私立大学に合格するというとはまれで、偏差値の低い大学への進学がほとんどであった。堀越学園から亜細亜大学へという流れは昔から良く見られたような気がする(堀越学園や亜細亜大学を否定しているわけではありません)。だが最近は、上に挙げたように、有名私大への進学が目立つ。

 内部進学である加藤を除いて、彼らに共通しているのが、推薦やAOによる合格という点だ。かつて、早稲田大学に広末涼子が入学したことがあったが、あの時はいわゆる一芸入試であった。有名私大と言えども、少子化等により、経営が楽とはいえない状況である。そのため、どの大学も、受験生確保に躍起になっているのだ。大学の人気を上げるための一つの手段として、有名タレントを入学させるというのは、昔からある手法だが、特に近年、有名私大においてもその傾向が強くなっているのだろう。

 もちろん、いくら人気のあるタレントだからとは言っても、その大学に相応しくない人間を合格させるようなことはないはずだ。だから、彼らの実力も十分にあると考えて良いと思う。しかし、では一般入試を受けたら受かるかというと難しいのではないかと思う。つまり、一般入試で合格できるレベルより上の大学に合格することができ、ジャニーズ側にとってもメリットは大きい。双方にとっておいしい話なのである。

 これは別に悪いことではない。そもそも自己推薦やAO入試というのは、学力的には多少劣っていても、それ以外の点(運動や芸術、人間性など)で魅力的な面を持っている人物を入学させることが目的なのだから、タレントとして活躍している彼らを合格させるのは当然と言っても良いのだろうと思う。

 しかし、時には、今回の一件のように、合格させた後で何らかの問題が発生するということも十分に起こりうる。こうなった時に、大学側のイメージ低下は免れない。また、問題が起きなかったとしても、タレントを安易に入学させているという印象を一般の人々に与える可能性もある。事実、早稲田大学は広末涼子を入学させたおかげで、イメージが低下した。その点、慶応大学は確固としたブランド力を持った強さというか、安定感があるためか、タレントを推薦入学させることは見られない。

バッドニュースだらけの「NEWS」

 North(北)・East(東)・West(西)・South(南)の頭文字をとって名付けられた「NEWS」。当然、「ニュース、報道」の意味の「news」とかけたネーミングであろう。皮肉にも、後者のニュースが先行していしまい、文字通りニュースだらけ、それもバッドニュースだらけのグループになってしまった。森内貴寛・内博貴・草野博紀と、三人ものメンバーが問題を起こすとは、事務所側としても予想だにしなかった想定外のことだろう。

 もともと、このグループは状況や活動地域によってメンバー構成を変化させるという体制をもっている。私は、デビュー当時、ハロープロジェクトのシャッフルユニットを意識してこのような体制にしたのかと思っていた。だが、ふたを開けて見れば、メンバーの個人活動の状況に合わせて、忙しければグループ活動に参加しない場合もあるという感じでしかなかった。おそらく、結成当初から、メンバーのばら売りが想定されていたのだろう。山下や内、錦戸のように当時から人気が高かったメンバーの個人活動を制限しないための抜け道的な体制だったと考えられる。

 このように、特殊というか、臨機応変というか、都合の良いというか、そんな体制で始まったグループだが、森内が抜け、内・草野が謹慎という状況なると、流動的な体制というのもまた皮肉に感じられる。すでに、一部報道では「メンバーは7人」という、内の存在を無視したような書き方もされており、場合によっては、「NEWS」は6人になる可能性もある。

 錦戸はソロ活動も行い、山下はドラマに引っ張りだこであることから、「NEWS」崩壊という最悪のシナリオもありうるかもしれない。しかし、ジャニーズの方針では、完全なソロ活動は認めていないようなので、解散する可能性は非常に低いだろう。ただ、KAT-TUNのCDデビューにより、その存在感が薄まるということは十分に考えられるし、山下らのソロ活動(あるいは、修二と彰のようなグループ外の活動)に重きが置かれるということもあるのではないだろうか。

 「NEWS」のメンバー8人(内を含めて)の中で、大学進学は5人(草野を含めて)。ジャニーズきっての知性派グループということになるわけだが、同時に、最も問題を起こす率が高いグループとなってしまった。これまた、皮肉なことである。

飲酒している「ふり」で活動自粛

さて、話を飲酒問題に戻そう。

 〔前略〕

 31日発売の月刊誌「ブブカ」によると、未成年メンバーがカラオケボックスで、ファンらしき女性と2人で、制服姿のままチューハイ缶を手に取り乾杯。その缶を口にしたり、曲を熱唱する姿を巻頭で3ページにわたって写真で掲載している。この写真はビデオ映像から転写したとみられる。

 撮影日時は不明だが、制服が冬服で、少年が修二と彰の「青春アミーゴ」を熱唱していることから、同誌は「昨年10月から12月中旬ごろ」としている。

 所属事務所の事実確認に対して、少年は「口まで持っていったが、実際には飲んでいない」と、飲酒の事実を否定しているという。その上で同事務所は、この日の夕方、マスコミに向けたファクスで見解を発表した。

 それによると「本人に確認致しましたところ、飲酒の事実はないとのことですが、誤解を招く行動を起こしたことで、弊社においても現在、事実関係を鋭意調査するとともに、関係各位への影響を考え、当分の間、本人の芸能活動を自粛することを決定しました」としている。

 〔後略〕

 ジャニーズ側の発表によれば、草野は、缶チューハイで乾杯をし、それを口に持っていったものの、飲むふりだけで止めたということらしい。だから、飲酒はしていないが、紛らわしいことをしたから、活動を自粛させるとともに、事実関係を調査するそうだ。

 まず、この発表からいけば、草野の名前を伏せる必然性は微塵もない。にもかかわらず、私が見た限り、名前を出している報道は皆無だったし、法政大学という大学名さえも、有名私立大学などとして伏せられていた。報道側の自主規制だろうか。あたかも、飲酒が事実であるかのような自主規制っぷりに、正直、苦笑せざるを得ない。

 ジャニーズがすべき事実関係の調査は簡単である。写真のもとになったビデオ映像を見れば良いのだ。『BUBKA』はそのビデオを持っているのだろうと思うが、それを見た上で記事にしたはずだから、どう考えても草野の飲酒は事実であろう。証拠ビデオがあるにもかかわらず、口まで持っていっただけなどという稚拙極まりない言い訳をするとは、お粗末としか言いようがない。あるいは、本当に口に持っていっただけなどという、冗談みたいな事実があるのだろうか。

 なにはともあれ、飲酒をしているふりだけで自粛をするとはなかなか厳しい。裏を勘ぐりたくなるのは当然だろう。噂によれば、そのビデオの中で、草野はかなり横柄な態度をとっていたらしい。それが事実だとすれば、飲酒したかどうかという以前に、そういうおごり高ぶった、天狗状態になってしまったということの方が重大だと思う。20代前後の若手タレントが人気の上昇と共に陥りやすい穴である。以前、赤西仁と上原多香子の熱愛報道の際にも同じようなことを書いた。こういうタレントの意識を上手く制御するのが事務所の仕事であろう。タレントたちの未来のために、もっと気を引き締めてもらいたいものだ。

もう一つの見方

 ここで終わりにしても良いのだが、一応、ジャニーズ(草野)擁護的な見方も示しておこう。

 今回の一件、何と言っても大きいのはビデオの存在である。私は、『BUBKA』を見ていないが、ネット上で見つけた画像を見る限り、そのビデオの映像は、監視カメラのものではない。つまり、盗撮である。しかも、カメラの真正面に草野が映っている。そういうシーンを選んで掲載したのかもしれない。しかし、偶然隠しカメラがしかけられていたカラオケボックスに草野が来て、酒を飲む(ふりをする)などといううまい話があるだろうか。

 何が言いたいかというと、草野ははめられたのではないかということだ。誰によってかは分からない。だが、このようなうまい偶然の裏には、何らかの意図があるのではないかという気がするだけだ。根拠のない想像でしかないが、事前にセッティングされていたカラオケボックスに上手く連れ込まれた可能性もあると思う。だとしても、誘いに乗った草野自身に問題はあるだろうけど。

 本当に偶然かもしれないし、そうではないかもしれない。それは分からないが、少なくとも、ビデオがあることは事実である。たとえはめられたのだとしても、草野が悪くないということにはならない。多少、情状酌量の余地が見えてくるというぐらいだが、一応最後に書いておいたまでである。

ベースボールキッズ

ベースボールキッズ

【監督】 瀧澤正治
【キャスト】 落合扶樹、大高力也、佐保祐樹、ほか
2003年、全96分
公式サイト

 設定が面白いわけでもない、展開が新鮮なわけでもない、革新的な映像表現があるわけでもない。だから、凡庸とかありきたりとか陳腐とか、そんな一言でくくってしまうこともできる。でも、この作品は、表面的な新奇さを狙った作品ではない。意識的に王道的な物語を描くことで、少年たちの青々とした成長をストレートに伝えようとした作品なのである。小手先だけの変化球よりも、磨ききった直球の方が良い。投げられた直球は、観た者の心にまっすぐ届く。そんな作品なのである。

 千葉のローカル局、千葉テレビ放送による初めての映画事業として制作された本作は、監督にとっても初めての映画だった。そしておそらく低予算の中で創られた。そんなウィークポイントを感じさせないような、とても良い作品だと思う。もちろん、完璧とはいえない。いや、細かいことを言えばマイナスの方が多いのかもしれない。しかし、観終わってみると、いつのまにか、暖かい気持ちが心に宿っていた。細部がいくら巧くても、全体としてはつまらないという作品も多いが、本作はその反対で、細部の荒さは目立つものの、全体としては印象深い傑作である。

(以下、ネタバレあり)

 物語の展開は非常に典型的で、映画などを見慣れた大人にとっては物足りなく感じるかもしれない。また、おそらく予算や時間の都合もあると思うが、描ききれていない部分が多く、消化不良という感じもする。逆に言えば、無駄が多いということかもしれない。

 そのひとつとして、親の存在が挙げられる。作中ではいくつかの家庭の親子関係がところどころで描かれる。しかし、そのいずれもが中途半端で分かりにくい。藤井の家庭などがその最たるもので、親とのすれ違いを描いているのだろうが、それを描きたいのならば、もっと時間を割くべきだ。

 私が観た限りでは、親子関係を描く必然性が全く感じられなかった。その関係はどれも描きっぱなしで、子供に与える影響や関係性の変化などが見えてこない。時間的な都合で描ききれないのであれば、はじめから親子関係というテーマを取り入れるべきではないと思う。

 そもそも、親の存在が意味を持つのは、金田の母親に万引き疑惑が勃発した際の下級生たちの対応においてだけである。町田の父が「金田とは付き合うな」と言うシーンなど不要としか思えない。もっと言えば、監督と父母が話し合うシーンも必要ないだろう。野球に限らず、子供のスポーツというのは、親の関わりが大きいものだと思うが、この作品においては、応援席での様子ぐらいで十分ではないかと思う。

 本作は子供同士の関係や成長を中心に据えているのだから、それを描くだけで良い。それだけで十分に魅力的だと思う。むしろ、親という存在を無理やりねじ込んだことで、作品の魅力を減らしてしまっている気さえする。子供たちだけの世界をもっとクローズアップして描いてほしかった。映画に限らず、子供を描く物語というと、何かと親子関係を登場させたがる傾向があるが、本当に描く必要があるとは思えない場合が多いのは残念なことだ。

 次に、私がこの作品のなかで一番納得できなかった点を書いておこう。それは、金田少年の死である。なぜ、彼は死ななくてはいけなかったのだろうか。

 この作品を観終えたとき、私の頭には宮沢賢治の『風の又三郎』が浮かんだ。風と共にやってきて、風と共に去ってゆく又三郎。その存在が金田少年に重なって見えたのである。

 DVDに収録されているメイキング映像の中で、監督の瀧澤正治はこの作品は童話であると言っていた。まさに童話だと思う。でも、だからこそ、金田少年の死というのは納得できない。急いで『風の又三郎』を読み返してみたが、又三郎がいなくなるのは、死んだわけではなく、父親の仕事の都合であった。しかし、金田少年は死んだ。彼が死ぬことに、理由はあったのだろうか。

 童話で死を描いてはいけないとか、そんなくだらないことを言うつもりはない。私が言いたいのは、童話に限らず、物語において描かれる要素は必然性を帯びているべきだということだ。死という大変大きな要素であれば、なおさらのことである。余談だが、文学系新人賞に寄せられる原稿の多くが死を描いているという。そして、それらの多くが必然性の感じられない死であるという。死という大きな出来事を描かなければ物語を作ることが出来ないのだろう。あるいは、涙を流させるための手っ取り早い手段だからかもしれない。そして、そういう作品は落とされる。

 少し話がそれたが、この作品における金田少年の死も、視聴者を感動させるのが目的なのではないだろうか。たしかに、彼の死によって、他のメンバーの気持ちは変化しただろう。だが、それが大きく描かれたわけでもないし、何らかの都合で試合に来られなくなったというだけでも同様の変化は生まれたと思う。それゆえ、私には、金田が死ぬ必要があったとは思えず、納得できないのである。

 金田が決勝戦を前にいなくなるということには必然性がある。作中において、金田が神のような存在として描かれていることは明白であり、そのためには必ず消えなくてはいけないからだ。町田が地蔵に手を合わせたことにより、市原ジャイアンツに降臨した神は、チームのメンバーたちの心に何かを残し、そして去ってゆく。だからといって、『風の又三郎』がそうであったように、金田自身を神秘的に描いてはいけない。あくまでも、神のような存在であり、神ではない。それは感じとるべきもので、他の登場人物たち、そして、我々視聴者たちの心の中の問題である。だから、彼の登場も退場も、どちらも論理的でなくてはいけない。登場は監督の要請の結果であり、退場は死であった。

 金田の家族が全員亡くなったという設定があるために、金田が決勝戦に参加できない理由を上手く用意できなかったのかもしれない。施設で生活している彼の家族の中で、父親だけが生きている可能性があるが、失踪してしまい見つからない、というような設定であれば、その父親が見つかったので、急遽そちらへ行かなくてはいけなくなったなどという理由も考えられる。その理由はどんなものでも良いが、とにかく、彼が死ぬという展開だけは避けるべきだったのではないか、というのが私の意見である。

(ネタバレここまで)

 さて、まだ書きたいことはいろいろとあるが、かなり長くなってしまったので、このぐらいにしておく。どちらかというと批判的な意見が多くなってしまった気がするが、私は傑作だと思っている。それだけに、散見されるマイナスポイントがもったいなく感じられるのだ。

 全体としては心に染みる作品で、繰り返し観たくなってしまう。光を効果的に取り込んだ映像が、どこか神秘的な薫りを醸しだしているのも良い。少年野球という、ありふれたモチーフを幻想的に昇華させた現代の童話をぜひ味わってほしい。そんな気持ちでいろんな人に勧めたくなる作品だった。

 あけましておめでとうございます。いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 このブログを始めたのは、昨年5月。約半年で9万アクセスを超えることができたのも皆様のおかげです。当初は、ほぼ毎日更新しており、内容もドラマの感想が大半でした。各話ごとに感想を書いていたのは、その頃だけで、徐々にドラマの感想が減り、本の感想が増えたような気がします。

 ドラマ自体は、常に5~7作品ぐらいを観ているのですが、書籍に比べて、ドラマのような映像作品の感想を書くのは意外と大変で、いつのまにか遠ざかってしまったという感じです。各話ごとに何かを書こうと思うほど魅力的な作品がないというのもありますが。

 まだ、昨年の冬期ドラマのまとめを書いていないので、年を越してしまいましたが、それだけは書いておこうと思います。それと、今さらですが、昨年視聴したドラマ全体のまとめも書くつもりでいます。

 続いて本の話ですが、読書録によれば、昨年は140冊程度の本を読んだようです。二日に1冊という目標には及ばなかったものの、これだけ読めれば十分かもしれません。問題は、これだけ読んでもなお、買った本の数の方が勝っているという点です。今年は、買う量を減らすのが目標です。

 そして、DVDも似たような状況で、40本ぐらい購入したにもかかわらず、まだ1本も観ていません。テレビドラマとテレビ放送される映画を観るだけで手いっぱい。でも、ちょっと安かったりするとつい買ってしまうので、少しずつ観ようと思います。

 一応、芸能ネタに関しても触れておきます。まず、内博貴の復帰時期が気になりますが、遅くても4月中にはというのが私の根拠のない予想です。また、KAT-TUNのデビューも今年中ではないかと思います。これ以上デビュー時期を延ばすのは危険な気もしますが、修二と彰の「青春アミーゴ」の大ヒットで、デビューしづらくなった(ハードルが上がった)という印象もあるので、ひょっとすると、という可能性も否めません。

 このブログでは特に書いていませんでしたが、昨年は韓流・子役・若手俳優などのブームが見られました。そのようなブームを見ると、芸能関係においては女性が中心であるということを強く感じます。このブログで芸能ネタなどを扱う際には、主に女性の読者を想定して書いているのも、そのような理由によります。特に、ジャニーズ関係は非常に強い訴求力があり、アクセス数が格段に増えます。

 若手俳優ブームに関しては昨年始まったことではありませんが、男性アイドル市場を独占状態しているジャニーズの牙城を崩すための一本の筋道がそこにあるのかもしれません。昨年デビューしたWaTはウエンツ瑛士と小池徹平によるデュオですが、俳優として注目された後のデビューでした。バーニング所属だからということもあると思いますが、「俳優→アイドル歌手」という流れでなければ、ジャニーズの圧力によって、ミュージックステーションには出演できなかったでしょう。

 一方、ヴィジョンファクトリー(一応バーニング系)はあくまでもアイドル歌手にこだわっており、ジャニーズと競合するw-inds.、FLAME、Leadなどはほとんどテレビに出てきません。「アイドル歌手→俳優」を目指しても、自社提供に近い映画や深夜ドラマに出演するのが関の山といった感じです(「デビルマン」などの例外もありますが)。

 ただ、若手俳優も場合によってはジャニーズの圧力を受けるようで、「ごくせん2005」では赤西仁・亀梨和也と共演した速水もこみちの売れっ子ぶりを警戒して、出版社などに圧力をかけているという噂もあります。

 ということで、結局は今年もジャニーズの一人勝ち状態が続きそうです。ちなみに、若手俳優の中で個人的な注目株は落合扶樹。今年の活躍を期待するという意味で、名前だけ挙げておきます。

 さて、長くなりましたが、最後に一言。昨年書くべき内容をまだ消化し終えていないまま、新年になってしまい、時々覗いてくださっている方々には申し訳ない限りです。今年も、更新ペースはゆっくりになりそうですが、冷静な視点ということを心がけて、読みやすい記事を書いていくつもりですので、お付き合いいただければ幸いです。

 ということで、今年も当ブログ、および泡坂妻夫マニアックをよろしくお願いしたします。

 私が今一番注目している俳優を挙げるとすれば、それは間違いなく落合扶樹である。

 と、まあ、こういう硬い文体で書きはじめると、ついつい厳しい内容になってしまうので、今回はふにゃらかと書くことにします。敬称略も解除にしましょう。

 あらためて。

 私は最近、落合扶樹くんに注目しています。なんてことを言いながらも、実際には彼の出演作をあまり見ていません。「楽園のつくりかた」と「Pinkの遺伝子」ぐらいかな。二つの作品は毛色が全くと言って良いほど異なりますが(ストーリー等の詳細は省略します)、そのどちらにおいても、彼が演じた役は何かしらの葛藤を抱いた(あるいは、抱くことになる)少年です。これは当然と言えば当然のことで、物語の中心に中学生を据える場合、その年代特有の「悩み」や「成長」を描こうとするものです。。もちろん、これは中学生に限ったことではなく、物語の多くが「悩み」「成長」「恋愛」などの共通した要素の組み合わせで成り立っています。この話を続けていくと長くなりそうなので、バサッと切り上げますが、物語って大きなパーツ自体はそれほど大差ないんですよね。

 で、落合くんの話に戻りますが、彼は「悩み」を表現するのがとても巧い役者だと思っています。「悩み」すなわち「心の葛藤」を描く場合、小説であれば、それを文字にすれば良いのですが、演技の場合はそうもいきません。もちろん、モノローグという手はありますが、それは抜け道のようなもので、あまり多用されると空々しさを感じさせてしまいます(効果的なモノローグもあるので、モノローグ自体が悪いというわけではありませんが、不自然な印象を与える場合も多いように思います)。

 また横道にそれてしまいましたが、落合君は「心の葛藤」を表情で伝えてくれます。文字化・音声化せずに伝える技術というのは役者にとって欠かすことの出来ないものだと思いますが、それをしっかりと身に付けているという印象を受けるので、彼に注目しているのです。あの憂いある表情は本当に魅力的です。声も良いですしね。

 というのが前置きです。落合くんをご存じない方もいるだろうと思ったので書いたのですが、長いですね。反省。

 さて、この記事の本題は、本日行われた「スマイルモンキーファン感謝DAY 第2部:落合扶樹トーク&握手会+「蒼のシテン」上映会」というイベントについて書くことです。私がこのイベントを知ったのは昨日。都合をつけて、急遽参加してきました。まさに滑り込みセーフ。東京在住ゆえになせる業です。

 本当はイベントレポを書くつもりはなかったのですが、公式サイトの掲示板などを見ると、遠くて来られない方や、雪の影響で来られない方、体調を崩して来られない方など、残念な思いをされている方がたくさんいらっしゃるようなので、そのような方々に少しでも雰囲気が伝えられればと思い、書くことにしました。

 とはいっても、そのつもりでいなかったので、メモもとっていませんし、ビデオ撮影・音声録音などもしていません。なにせ、カメラさえ忘れて、写真撮影の時間を虚しく過ごしたぐらいですから(どなたか、撮った写真を送ってください......)。そのため、細部までは書けませんし、間違いもあるかもしれません(そして、無駄が多いです)。大まかな流れと雰囲気ということでご了承ください(教えていただければ、加筆修正いたします)。

 書き方はについてはそれなりに悩みましたが、とりあえずおふざけはやめて、ちゃんと書きますので(※注:「ちゃんと」には個人差があります)、感想などお聞かせいただけると嬉しいです(読んで不快になるということはないと思いますが、もしそのような気持ちを抱かれたら申し訳ありません)。第二の前置きも長くなりましたが、本題のイベントリポへと移ります。

★★★★★

 「寒波吹き荒れる」そんな見出しが新聞を支配した日。吹き荒れる寒波を吹き飛ばすほどの熱気が吹き出てくる場所があった。活火山の火口。それもそうかもしれない。でも、ほかにもあった。東京都新宿区市谷本村町、「市区町村」が揃った住所、防衛庁がある住所、日本の中で最も安全な気がする場所、でもテロの標的になりやすいであろう場所、まさにその防衛庁の目の前、そこにあるビルの地下、そのライブハウスから、あのマグマは吹き出していたのだ。

 何と大げさな書き出しだろう。でも、それを認めさせるぐらいの熱気は確かに存在した。日曜日の市ヶ谷は人通りが少なく、刺すような寒風は肌ばかりでなく心にまで突き刺さるかのようだ。だが、そんな寒さをものともせず、イベントの開場を待つ人々は心を弾ませていた。映像でしか見たことのない、憧れの落合扶樹くんに会えるという喜びが胸を満たしていたからである。

 開場が近づくと共に、徐々に人数が増えてきた。5、60人にもなるだろうか。落合くんと同年代の女性たちが多いが、小さい子を抱えたお母さんや、落合くんのお母さん世代の方、さらには男性の姿も散見され、年代・性別を問わぬファン層の厚さが感じられる。

 そして、開場。ドリンク付1500円という非常に良心的な価格を設定して下さった、スマイルモンキーのスタッフの方々の視線に見守られつつ、順に入場するファンたち。その手には、整理券とドリンク券、そしてなぜか折り紙が強く握り締められていた。

 前から順番に席が埋まってゆく。席に荷物を置くと、財布を片手に物販コーナーへと集まった。イベント限定販売の「落合扶樹 Private DVD」を購入しているのである。そのDVDは一枚一枚直筆のサインが書かれているというファン垂涎の一品だ。

 そうこうしているうちに、人の動きも落ち着き、いまかいまかと開演を待ち受ける臨戦態勢へと変化した。ある種の緊張状態がその場に渦巻き、静寂が生まれる。と、その静寂を破る声が!司会の登場である。司会の方のちょっとしたトークで雰囲気が暖かくなり、そして、「蒼のシテン」の上映が始まった。富山だけで放送されたこの1時間ドラマの主演は、もちろん落合くんだ。ファンたちはみな、身動き一つせず真剣にスクリーンを見つめている。スクリーンが微妙に揺れていたのは、見つめられたスクリーンが恥ずかしがって身をよじっていたのだろうか。だとしたらこう言いたい。「スクリーンくん、みんなは君を見ているんじゃないんだよ。君に映った落合くんを見ているのだよ」

 上映終了と共に、微妙な拍手が起こる。拍手のタイミングというのは難しい。そんな拍手で居場所を失ったかのようにスクリーンが上がっていき、ステージには椅子が用意された。落合くん本人の登場である。

 響き渡る拍手を身にまといながら登場した落合くんは、一言で言えば「細長い」。「すらっと」という擬態語は彼のためにあるのではないかというぐらいに「すらっと」した体型で、おしゃれ。カッコイイという形容詞を映像化したら、まさにこんな感じだろう。感嘆のためいきが聞こえてきたのも当然である。

 そしてトークタイムが始まった。司会者と落合くんによるライブ感たっぷりのトークに誰もが魅了されていた。撮影における苦労話やプライベートにおける苦労話(原宿での災難?)から、服の話まで、途中に微妙な間を挟みながらの魅力あふれるトークにファンたちの笑顔は絶えなかった。

 続いては質問タイムだ。落合くんが番号を引き、同じ番号の整理券を持っている人が直接質問できるという抽選型質問タイムである。スポーツやギター、スポーツの話では饒舌だった落合くんも勉強の話になると(以下略)

 幸運な4人が質問した後は、新たな質問タイムとなった。今度は、入場時に配られた折り紙に質問を書き、それを落合くんに向けて投げ(つけ)て、彼に拾われた質問が読まれるというものである。会場中から、丸められたり、たたまれたり、鶴を折りかけたりした折り紙が投げつけられる様子はまさに「帰れ!と言われている感じ」(落合くん談)であった。そんな不思議な状況の中、3つの質問が落合くん自身によって読み上げられた。

 「子供に付けたい名前は?」という奇抜な質問を弟の珍しい名前を紹介することで華麗にすり抜けた落合くんを襲ったのは続く2つの質問であった。「彼女はいますか?」というど真ん中ストレートの直球にたじろぎつつも、「募集中です」との答えを返した。これがホームランだったかゴロだったかは知らないが、「昔の中島美嘉さん」のような女性が好きということであった(ちなみに、最初のトークタイムでは「口説き方」の話も披露)。

 次に釣り上げられたのは「この質問ヤだ!」と言って読み上げるのを躊躇したほどの大物。「カラオケで歌う得意な歌を歌って下さい」というものである。その場では歌ってくれなかったが、ロックを歌うということであった。

 こうして、質問タイムは終了した。落合くん自身が自分は「天然」であり「ナチュラル」(?)であると発言するなど、いろいろと楽しい質問タイムだった。なお、質問が取り上げられた方々には、来年、「落合扶樹直筆年賀状」が届くということで、当たった方々はとても嬉しそうだった。ちなみに、それが「お年玉付き年賀はがき」の抽選に当たる確率が高くなるからという嬉しさでないことは自明である。

 そして、撮影タイムが訪れる。上品なファンばかりで、場が紛糾することもなく、みんな落合くんをファインダーに写し込むことに成功した様子だった。そこで使われたカメラがデジカメや携帯であったことに時代の変化を感じた人などいなかったことだろう。それぐらいに熱中していた。

 5分程度の撮影タイムも無事終わり、ステージ上での企画は終了。次いで物販コーナーでツーショットポラの撮影が行われた。落合くんと並び、ポーズを決めてのポラロイド撮影は素晴らしい記念になることだろう。その際にプレゼントを渡したり、ちょこっと話をしたり、そして握手をしたりとそれぞれが夢のようなひと時を満喫していた。「熱は温かい方から冷たい方へと流れるから、自分の手が冷たければ、落合くんの熱を受け取ることができる!」などというおかしな計算をした人はいないだろうが、彼の手の暖かさはそれぞれのファンの心にまで到達したに違いない。

 その撮影が終わったところで、落合くんが一言のあいさつをして退場した。ファンたちも三々五々に会場を去り、イベントは幕を閉じた。その間約二時間。あっという間の二時間だった。遠く北海道からいらした方もいたが、みな充実したその二時間を胸に、帰路へとついたことだろう。刺すような寒さを感じなくなるくらいに暖かい時間を過ごせたのだから。

前回の記事の補足

 本題に行く前に、「KAT-TUN赤西仁と上原多香子の熱愛報道を考える」の補足を少し。

 私が書いた文章の中では、ジャニーズのリークである可能性が高いということを書いたが、なぜリークしたかについてはあまり丁寧に考えていなかった。赤西&上原のカップルを別れさせ、赤西にお灸を据えるのが目的ではないかと書いたものの、他の理由も考えられるので、一応書いておこう(以下、ジャニーズのリークであるということを前提にしている)。

 まず、赤西と他の女性との交際の噂を消す目的が考えられる。以前、赤西&亀梨がともに蒼井そらと交際している(いた)という噂が流れたが、これはすでに蒼井自身によって否定されている(彼女のブログ参照)。なので、この理由はあまり考えられないように思う。

 次に、何かジャニーズがらみのスキャンダルが存在し、それを隠蔽するためのバーターとして今回の報道が行われたという可能性もある。この可能性に関しては、否定も肯定も出来ない。ただ、今回の『FRIDAY』の記事はジャニーズ寄りである印象を受けたので、バーターとして成立していたのか、という疑問はある(とはいえ、人気の高い赤西のスキャンダルなので、たとえジャニーズの意向を汲んでいても、講談社側にとってプラス面はあるだろう)。

 とりあえず、考えられるのはこのぐらいだろうか。はっきりとしたことは分からないが、バーターであったとしても、赤西にお灸を据えるという目的は存在しているような気がする。その理由については、以下の本題で。

KAT-TUNの今

 さて、ここからが本題である。先日書いた「KAT-TUN赤西仁と上原多香子の熱愛報道を考える」はファンの方にも意外と好意的に受け取られたようで、いくつかのブログや掲示板などでご紹介いただいた。嬉しいことである。

 それはともかく、それらのブログや掲示板を含め、複数のファンの方の考えを見てみたのだが、それらを読んでいて考えたことがあるので、書いておこうと思う。

 ファンの方の意見の中で散見されたのは、「最近の赤西くんは手を抜いている」というような内容であった。ファンというのは、盲目的であるようでいて意外と厳しい目をもっている。それは、これからも活躍してほしいという願いもあるし、長期間見ているだけに、その変化に気付きやすいということもあるだろう。

 とはいえ、ファンであれば、ある程度は目をつむるということも多いと思う。厳しいながらも、一方で寛大な面もあるわけだが、そういうファンからの苦言が出るということは、目に余るものなのだろう。

 一方で、亀梨和也に対してはしっかりとがんばっているという意見が多いようであった。残りのメンバーについても、ドラマなどで大きくクローズアップされるということはあまりないが、地道にがんばっているようである。だからこそ、赤西の行動が目に付くのだろう。それにしても、デビュー前から昔の方が良かったと言われてしまうのは問題である。

タレントと人気

 タレントの人気というのは、そのタレント自身の魅力によるものである。それは確かにそうだ。だが、それだけではない。特に、初期の段階では、タレント自身の魅力以上に、事務所の力や、ドラマで演じた役、あるいは持ち歌などのように外因的なものによる場合が多い。

 特にジャニーズのタレント場合、ジャニーズ事務所自体が圧倒的なブランド力を持っているため、外因的な要素が強いと言える。ジャニーズからデビューしていれば売れただろうに、というタレントがいることも事実だ。だがそれは仕方のないことなので、ここでとやかく言うつもりはない。

 問題なのは、人気の出はじめたタレントが、その人気を完全に自分の魅力によるものだと勘違いしてしまう場合である。もちろん、タレント自身の魅力もあるのだが、それ以外の要素もあるということをタレント自身が見失ってしまうと、何らかの問題を起こす場合がある。

 たとえば、ホリプロの大森玲子、アップフロントエージェンシーのユウキ(EE JUMP)、そしてジャニーズで言えば森寛貴(NEWS)らである。彼らは自身の人気が100%自分に起因していると勘違いしてしまった結果、問題を起こし、場合によっては芸能界からの引退を余儀なくされた。

 そしてジャニーズには、このような問題を起こすタレント(「勘違いタレント」とでも呼ぼう)が多い。もちろん、所属タレントの絶対数も多いし、その年齢が低く、また年齢が低い内から第一線で衆目を浴びるという理由もあるだろう。しかし、事務所のタレント育成に問題があるとも言えるのではないだろうか。ここでは、この問題について取り上げるのが目的でないので、これ以上は書かないが、「勘違いタレント」を生み出さないような努力をしてほしいものだ。

 さて、話を戻そう。初期の段階でのタレントの人気というのは、言ってみれば「虚飾の人気」である。それを「本当の人気」に変えることができるかどうかは、そのタレント自身にかかっている。ここで「本当の人気」へと辿りつけたタレントが生き残れるのである(いつまで生き残れるかはまた別の問題)。

 KAT-TUNも人気があるとはいえ、まだ「虚飾の人気」の段階であろう。すなわち、今がもっとも大事な時期であり、また転換期でもある。ここにおいて、おそらく赤西は「虚飾の人気」を「本当の人気」と勘違いしているのではないだろうか。そのため、手抜きのようなことをしてしまったのではないだろうか。

KAT-TUNの今後

 KAT-TUNがKAT-TUNとしてデビューするためには、各メンバーが自身、自分の人気が「虚飾の人気」であるということに気付き、仕事に対して真摯な態度で臨まなくてはならない。「虚飾の人気」に溺れることなく、華々しい活動の裏で地道な努力を続けていけば、必ず「本当の人気」を勝ち取ることができるだろう。

 KAT-TUNに対しては、周囲の(特に事務所の)期待が大きいだけに、プレッシャーも大きいだろうし、特別扱いされているという面もあるのかもしれない。そのため、自分たちの人気を過大評価してしまうのも仕方ないだろうし、事実、彼ら自身の魅力は非常に高い。

 だが、彼らがいかに魅力的であっても、また、いくら事務所の力が強いとはいっても、それだけでいつまでも人気を保てるほど芸能界は甘くない。次から次に新しいタレントが生まれてくる現在の芸能界の中で、安定した人気を得るためには、常に進歩していなくてはいけない。

 そのためには影での努力も必要だろう。もちろん仕事をきちんとやることは当然のことであるし、プライベートを制限されることもあるだろう。そのようなことを受け入れられないのであれば、いくら魅力があろうとも風当たりが強くなる。魅力があるからこそ、せっかくのその魅力を失わないために努力してほしい。

 赤西をはじめKAT-TUNのメンバー、さらにはジャニーズのタレントには今回の報道を機に、仕事というものをもう一度考えなおしてほしい。初心忘れるべからずというが、仕事に対してかつてのように(「お客様は神サマー」の頃は良かったという意見があった)真剣に向かうことが出来た時こそ、KAT-TUN躍進の時であり、デビューの時になるに違いない。大きな転換期にある今、彼らがどう考え、どう行動するかによって、今後の展開は大きく変わる可能性がある。彼らにとっても、またファンにとっても良い展開になるようにがんばってほしい。

 本日11日発売の写真週刊誌『FRIDAY』にKAT-TUNの赤西仁と上原多香子のデート写真が掲載された。ということなので、2日続けて書いたジャニーズのWeb戦略に関する記事は一休みして、この件について見ていこうと思う。

 ジャニーズの人気グループ、KAT-TUNの赤西仁(21)と、元SPEEDの上原多香子(22)のラブラブデートが11日発売の写真週刊誌「フライデー」で報じられている。巻頭5ページにわたって、上原が赤西の肩にほおをうずめる姿などが激写されている。

 同誌によると、赤西は10月下旬、上原が待つ東京・渋谷区内のレストランにスクーターで登場。4時間近く夕食デートを堪能した後、いったん別れたが、上原のマンションに再び赤西がスクーターで現れた。その翌日も、赤西が"愛の巣"を訪れたという。

 8月にも赤西のスクーターが、上原のマンションで目撃されており、交際は数カ月前からと思われるが、最近になって、2人が破局したとの説も浮上。赤西の所属事務所は「もうすでに別れたという報告を受けております」とコメント。果たして2人の愛の行方は!?

『FRIDAY』の記事を読む

 掲載されたのは、赤西と上原がレストランでの深夜デートを終えて別れる場面の写真と、顔を隠した赤西が上原のマンションを訪れた際の写真。特に前者は、二人が名残惜しそうに抱き合っている写真で、ファンにとっては衝撃的だったかもしれない。だが、ネット上でざっと調べた感じでは、意外と落ち着いているファンも多いようだった。以前から噂されていたためかもしれない。

 さて、ここで考えてみたいのは、この記事が本当のスクープなのか、あるいはどちらかの事務所の意を汲んだ記事なのかということである。

 それを考えるために、とりあえず、記事中に見られる宣伝ポイントをチェックしておこう。今回の記事中には、宣伝とみなせる内容が3つあった。

 赤西側の宣伝となるのは、「KAT-TUN Live 海賊帆」についてと、11/15から始まるバレーボール「ワールドグランドチャンピオンズカップ2005(以下グラチャン)」についてだ(「グラチャン」を盛り上げるために、KAT-TUNが応援プロデューサーに就任している)。ちなみに、この2点以外に「ごくせん2005」についても触れているが、先日発売されたDVD-BOXに関する記述はないので、宣伝とはいえないだろう。

 一方、上原側にでは、11/03から11/27まで上演される舞台「リトルショップ・オブ・ホラーズ」について触れられている。これ以外には、宣伝といえそうなものは見当たらない。

 宣伝目的であるとすれば、「グラチャン」か「リトルショップ・オブ・ホラーズ」ということになるだろう。

スポーツ紙の記事を読む

 続いて、『FRIDAY』の記事に対する各スポーツ紙の扱いを見ていこう。

 すでに、中日スポーツの記事を引用したが、どのスポーツ紙もほとんど同内容である。ただ、中日・日刊・報知の3紙がジャニーズ側のコメントしか載せていないのに対し、スポニチ・サンスポ・ZAKZAK(夕刊フジ)の3紙は上原の所属事務所であるヴィジョンファクトリーのコメントも掲載している。

 同誌によると、2人は10月下旬の深夜、都内のレストランで食事。別れ際に抱き合うなど、仲むつまじいしぐさを見せたという。上原の自宅マンションを赤西が訪れた際の様子も報じられている。赤西の所属事務所は「既にお別れしたと聞いている」と説明。上原の事務所は「もともと交際している事実はないと認識している」とした。

 ジャニーズの6人組グループ「KAT-TUN」の赤西仁(21)と元SPEEDの上原多香子(22)=写真=のお忍びデートを、11日発売の週刊誌「フライデー」が報じている。しかし、双方の所属事務所は"破局"を強調し、即攻の火消しだ。

 同誌には、2人が先月下旬の深夜、都内の中華料理店で食事を済ませ店の外で体を寄せ合う姿が激写された。

 しかし、複数のスポーツ紙は「すでに2人は別れたとの報告を受けています」(赤西の所属事務所)、「ノーコメント」(上原の事務所)などと、火消しに躍起のようすを伝えた。

 スポニチは上記のようにヴィジョン側の「もともと交際している事実はないと認識している」というコメントを掲載しているが、サンスポ・ZAKZAKはノーコメントであると報じている。

スポーツ紙の報道はどこから?

 各紙の記事においてジャニーズ側のコメントが中心になっているのを見ても、スポーツ紙がいかにジャニーズ寄りかが分かるが、それは今に始まったことではないので、今回はそれほど重要ではない。

 ここで考えておきたいのは、これらの破局報道は『FRIDAY』のスクープによる影響を抑えるためのジャニーズ側の策なのか、それとも、『FRIDAY』の記事自体がすでにジャニーズ側のリークなのかという点だ。なお、スポーツ紙の記事がヴィジョン側の策という可能性もあるが、6紙中3紙がヴィジョン側のコメントを掲載していない点および、残りのうちの2紙が「ノーコメント」としている点から考えて、その可能性は低いと思う。

ジャニーズのリーク?

 上に書いた疑問の答えについては、私の憶測なってしまうが、どうも、今回の一件は完全にジャニーズが仕組んだものであるような気がするのだ。そう思う理由と、ではなぜジャニーズがリークしたかについて書いておく。

 まず、「グラチャン」開幕の直前という絶妙なタイミングである点から、その宣伝目的であったと考えられる。だが、これはそれほど大きな理由ではない。すでに、このようなスクープを掲載させるという考えがあって、ちょうど宣伝になるタイミングが来たので、掲載させたという感じではないだろうか。

 では、このようなスクープをリークした最も大きな理由は何かというと、それは赤西と上原を別れさせることである。以前より交際を続けていた二人を別れさせるために、ジャニーズが仕組んだのではないだろうか。赤西に灸を据えるとともに、ファンに対しては別れたことをアピールする。これが真の目的であるように思えるのだ。

 繰り返しになるが、スポーツ紙に掲載された双方の事務所のコメントをみると、ヴィジョン側には焦りが見える。抱き合っている写真が掲載されているのに、「もともと交際している事実はないと認識している」とは何とも白々しい。また、「ノーコメント」というのも交際報道の火消しには何の役にも立たない。これらのコメントから察するに、ヴィジョン側は事前に二人の交際に気付いていなかったか、気付いていたとしても、スクープされるとは思っていなかったために、虚を衝かれてうろたえたのではないだろうか。

 一方のジャニーズ側は明解で、全てにおいて「すでに別れた」というコメントが掲載されている。もちろん、急遽コメントを考えたのかもしれない。しかし、当の『FRIDDAY』も「芸能プロ関係者」の言葉として、二人の破局をほのめかす内容を書いていることを考えると、はじめから、破局を伝えるための報道だったのではないかと思えるのである。

まとめ

 すでに述べたように、私は『FRIDAY』の交際報道に始まる一連の報道がジャニーズの意を汲んだもの(リーク)なのではないかと思う。その目的は、以前より交際を続けていた赤西と上原を別れさせ、赤西に反省を促すとともに、ファンに向けては交際を解消したことをアピールすることだと考えられる。さらに言えば、『FRIDAY』のトップ記事に扱われれば、タレントとしての箔が付くし、知名度も上がるだろう。

 この程度の報道で、赤西の人気が失速するとは思えない。芽は早いうちに摘めということで、デビュー前に芸能界の厳しさを身を持って実感させておこうという事務所の意志があったのではなかろうか。人気絶頂の今、あえてスキャンダルを報じさせることで、一番の稼ぎ頭となりうるKAT-TUNが、今後問題を起こさないように教育したのではなかろうか。

 タレントとしての自覚を持つことは大切だと思う。しかし、プライベートな部分に事務所がどこまで口を出すかというのは大変難しい問題だ。だから、良いとも悪いとも言えないが、ジャニーズ事務所はタレントのプライベートにまで強く干渉する事務所であるということはいえるだろう。それだけタレントの将来を考えていると見るべきか、それだけ金儲けに走っていると見るべきか。それは、人それぞれの見方によるとしか言えない。

(2005/11/12、一部修正しました)

※以上の記事は、各種報道を基にしたひとつの解釈です。真実であるという保証はありません。

 昨日、今期の連ドラの感想を書いたので、それに続いて他のドラマの感想も書いておく。昼&深夜ドラマで現在視聴中なのは「デザイナー」、「アストロ球団」「ケータイ刑事銭形零(ファーストシリーズ)」「スターライト」の4作。

デザイナー

 一条ゆかり原作の同名コミックのドラマ化。

 現在視聴中のドラマの中ではこの作品が一番面白い。「野ブタ。をプロデュース」「花より男子」よりも良いと思う。30分という枠の中で必ず大きな展開が起こるので、毎回惹き込まれてしまう。1時間の枠でもたいした展開がないドラマも多い中、非常に洗練された構成である。

 また、昼ドラとは思えないほどの豪華なキャストも良い。亜美役の松本莉緒も鳳麗香役の国生さゆりも気品に満ちた迫力があるし、もう一人の主要人物である結城朱鷺役の塩谷瞬も不思議な雰囲気の中に知性をつつみ込んだ様子が伝わってくる。

 亜美と麗香のデザイナーとしてのプライドがぶつかり合い、その中にまたありさ(国本綾)らのモデルとしてのプライドも絡み合っている。それと同時に亜美のスポンサーとなった朱鷺と亜美との葛藤も見所だ。亜美は朱鷺に操られることから逃れようとするが、デザイナーとして麗香の上に立つためには朱鷺の元を去ることは出来ない。朱鷺は亜美の人生のデザイナーなのである。

 明(天野浩成)や青石(乃木涼介)との関係や亜美の出生の秘密、そして朱鷺の目的と彼の過去。物語は中盤を越えたが、まだまだ気になる点はたくさんある。今後もめまぐるしい展開を楽しみにしたいと思う。

アストロ球団

 遠崎史朗原作の同名コミックのドラマ化。

 観ていて自分でも面白いのか良く分からない。つまらないわけではないのだが、のめり込むほどでもない感じだ。超人野球は非常に映像的で面白いのだけど、ストーリー自体はあまり面白くない。

 宇野球一(林剛史)率いるアストロ球団と峠球四郎(金児憲史)率いるビクトリー球団の対決も、単純に両チームの超人的な技術を楽しむというだけで、勝敗がどうなるかということはあまり気にならない(アストロ球団が勝つのだと思うが)。

 そういうドラマだと思えば、ある種のバカバカしさがとても楽しいのだが、一般受けはしないだろう。だからこそ深夜ドラマということか。制作者の気合も伝わってきて、決して悪いドラマではないが、個人的にはあまり好きではない(楽しいことは楽しいのだけど)。

ケータイ刑事銭形零(ファーストシリーズ)

 BS-iで放送された、ケータイ刑事シリーズの地上波放送。

 シリーズとして多くの作品が生まれているが、私が観たのは本作がはじめてである。全体的に評判の良いシリーズのようだが、評判通りの楽しいドラマだった。

 一番良いと思ったのは、新しいドラマを作ろうという意志が見えるところだ。最近の地上波の連ドラは原作に頼りすぎていて、勢いが感じられない。それに対し、本作はシリーズものではあるが、常に新しさを目指しているように思う。

 たとえば、第5話の「キラークイーン殺人事件」は劇中劇というメタミステリ的な趣向の中で、物語が展開していて新鮮だった。上手く処理しきれていない点もあったが、十分に楽しめた。

 また、作品全般にちりばめられたシュールな雰囲気も面白い。零(夏帆)と高村(草刈正雄)のやりとりもテンポが良くて楽しいし、他の登場人物たちも、フィクションであることを前面に押し出した設定で愉快だ。ミステリとしての合理性や意外性も損なわれていないので、ミステリ好きにも楽しめるだろう。

 ただ、ドラマにリアリティを求める人にはお勧めできない。この作品は過剰なまでにリアリティを排除している。もちろん、ミステリとしてフェアであるためのリアリティは残されているが、基本的には、非現実的な状況や人物が多用される。それを見てバカバカしいと切り捨ててしまうような人は、このドラマを観ない方が良いだろう。その意味では、バカバカしさを楽しめる人のためのドラマと言えるかもしれない。

スターライト

 実在するスターライトスタジオを舞台にした青春ダンスドラマ。

 スターライトスタジオを舞台にしていることから分かるように、ヴィジョンファクトリー(旧ライジングプロダクション)のタレントが登場する。その中心はFLAMEの北村悠と野口征吾の二人である。二人の演技は可もなく不可もなくといった感じだが、いかんせんストーリーがつまらない。

 青春ドラマとしての新鮮さがあるわけでもないし、他の部分に魅力があるわけでもない。作品のアピールポイントは何なのだろうか。タレント主導だとしても、もう少しどうにかしてほしい。主演の星井七瀬がかわいそうではないか。なんだか分からないドラマに出演させられて。

 作品を観ていて伝わってくるのは、ヴィジョンファクトリーの焦りである。ジャニーズの強力な圧力によって、タレントを上手く売り出せないでいるという状況でも、w-inds.はそれなりに人気を集めてきた。しかし、その後に続くべきFLAMEやLeadはなかなかファンを得られないでいるようだ。

 そんななかでスターライトスタジオを舞台に、FLAMEを出演させたドラマというのは、どう考えても事務所の宣伝であり、アピールであろう。個人的な意見だが、このようなやり方は一番やってはいけない手法だと思う。ドラマにせよ、小説にせよ、映画にせよ、描きたい内容や場面があってこその作品である。この作品ではそれが伝わってこない。宣伝的な面が強いからではないかというのはうがった見方だろうか。

「英語対決!勝負だバカ6人」

 今回の中心は、英語。洋楽を使って英語に慣れる、というのもやはり、すでに広く実践されている内容で、これといった新奇さはなかった。

 このドラマで描かれる勉強法というのは、基本的にすでに提唱され、認められているものを少しアレンジし、誇張したにすぎないような気がする。もちろん、勉強法だけがドラマの魅力ではないので、全体を否定することはできないが、革新的な勉強法を期待していただけに、物足りない感じがしてしまう。すでに有効的な勉強法というのは出尽くしてしまったということかもしれない。それだけ、受験ということが一般的であるのだろう。

 なお、今回、東大英語の自由英作文は減点法で採点されるということが説明されたが、これは東大に限ったことではなく、ほとんどの場合、自由英作文は減点法による採点である。だから、曲がりなりにも高校の英語教師として働いている真々子(長谷川京子)が東大の問題を見て、減点法であると気付かなかったというのは違和感がある。龍山高校は大学受験をする生徒自体が少ないということだろうか。確かに、自由英作文が出題されるのは国立大学や、上位クラスの私立大学であることを考えると、彼女が知らなくても当然なのかもしれない。

 ちなみに、自由英作文に限らず、国語・社会・理科の記述・論述問題や小論文なども基本的に減点法で採点される(問題によって、必須事項が設定されている場合が多いが)。自由英作文で簡明な構成、容易な単語、短い文を心がけることは基本であるし、それは論述や小論文などでも同様だ。どれだけ丁寧に細かく書こうとも、必要最低限のことしか書いていない答案より高得点になることはない。むしろ、余分な部分に間違いがあれば、そこで減点されてしまう。減点される可能性を減らすためには、無駄なことを書かないに限る。

 そういう、受験の基本とも言える知識を身につけることは、受験体制に入る第一歩である。受験勉強(特に大学受験)は志望校に合わせた勉強が不可欠であるから、まずはじめに志望校の傾向を抑えなくてはならない。東大に受かった人が早稲田に落ちるなどということがざらにあるのは、早稲田向けの勉強をしていなかったというだけのことで、東大に偶然受かったということではないし、ましてや東大よりも早稲田の方が難しいというわけでもない(問題にもよるし、個人的な感じ方にもよるが)。

 だから、今回、特進クラスの矢島(山下智久)・水野(長澤まさみ)・緒方(小池徹平)・香坂(新垣結衣)・小林(サエコ)・奥野(中尾明慶)が、龍山一の優等生で、帰国子女の栗山祥太(橋爪遼)よりも高得点をとったのは当然と言える。桜木(阿部寛)が言ったように、情報は力なのだ。こと受験に関しては、情報の力は大きい。だから、多くの受験生は、膨大な情報を持っている大手予備校に通うのである。

「三角関係」

 現在の巧(成宮寛貴)と澪(ミムラ)の恋は、学生時代の巧(福本有希)と澪(黒川智花)の恋と重なり、また一つ夫婦へと近づいた。

 ゆったりとした流れに変化はないが、冗長に感じられることもなく、やはり心地よい。その理由がどこにあるかは難しいが、一つには登場人物たちにあるのではないかと思う。このドラマの登場人物たちは皆、他人想いである。憎しみは微塵も感じられないし、争いも起こらない。

 それゆえに、非現実的で偽善的な印象を与え、反発を感じさせる可能性もある。しかし、それほど批判的な意見がみられないのは、ファンタジー作品であるからとも考えられるが、我々が心のどこかでこういう世界を求めているからなのかもしれない。争いもなく、誰もが周囲の人間のことを考えて行動している世界。現実には存在し得ない、空想世界だと知りながら、いや、空想だと分かっているからこそ惹かれるのだろう。

「泣くな!お前の人生だ!」

 今回のストーリーには二つの山場があり、さらに教員たちへの試験や東大合格のための勉強法も多数紹介され、充実した内容だった。

 緒方英喜(小池徹平)と奥野一郎(中尾明慶)、奥野次郎(水谷百輔)の双子兄弟が引き起こした喧嘩騒動は、実のところただの兄弟げんかでしかなかったわけだが、次郎の偽証により、英喜が犯人となってしまった。そして、ここでもやはり学歴による不平等が存在した。秀明館高校に通う優等生次郎の言葉は無条件に受け入れられ、龍山高校に通う劣等生英喜の言葉は無条件に否定される。この理不尽な状況から抜け出すためには、優等生にならなくてはいけない。そのための手っ取り早い手段こそ、東大生になることなのだ。

 このドラマで面白いのは、まさにその部分である。普通、東大へはすでに優等生として認められている人間が、当然の流れとして、エリートコースの一環として行く。しかし、東大は優等生のためにあるのではなく、虐げられてきた劣等生、落ちこぼれたちのためにあるのだ。東大は納得できない不平等から抜け出すために目指すのだ。

 そして、もう一つの面白さは、社会に満ちた不平等の存在を一度も否定しないという点にある。不平等はいけないとか、社会は平等であるとか、そういう聞き飽きた妄言を桜木は全く口にしない。不平等は確実に存在する。だから、自分が上層に行かなくてはいけない。不平等を撤廃する必要などないし、そもそもそんなことは不可能だ。とにかく、自分がその餌食にならなければ良いのである。

 この考えは、無実の英喜に始末書を書かせた桜木の行動に如実に表れている。「ごくせん」でもそうだったが、無実の罪には断固として反対し、無実であれば無実を主張すべきだという考えが普通である。それはその通りだ。しかし、今回のような瑣末な事件で、しかも始末書だけで済む程度であれば、無実であろうと罪を認めたほうが楽な場合もある。不平等が存在する以上、それを覆すのは容易なことではないのだ。

 さて、結局一郎は事実を述べ、特進クラスへ入ることも決めた。その特進クラスで今回行われた授業は、理科(物理)と古文。化学・生物・物理・地学の4科目が存在する理科(全てを勉強する必要はないが)を1人の教員が請け負うというのもすごいが、イラストや実験で身につけるというのがどの程度効果的かというのも疑問である。そもそも、物理は身近な現象を対象とした学問であるので、身近に感じられるイラストや実験を利用するのは普通である。その上で公式をどう覚えるかや、複雑な問題をいかに容易な問題の組み合わせに分解するか(身近な現象に置き換えるか)が重要だろう。イラストで身につけても、それを使いこなすためにはもう一段階必要だ。それがどのように指導されるのかを期待したい。また、化学や生物に出てくる化学式の攻略法も紹介してほしい。

 一方の古文はマンガで親しむという、昔ながらの方法。古文や歴史の勉強にマンガを使うのはあまりに一般的すぎるが、他に良い方法がないというのも事実かもしれない。ただ、これも初期の段階だけで、最終的には普通の勉強をする必要がある。その部分での新しい勉強法を期待しよう。また、古文単語や英単語などを語呂合わせで覚えるのも昔ながらの勉強法である。語呂合わせの問題点は、本来一意に定められないはずなのに、一つの単語に一つの意味しか覚えないという一対一対応になりがちなところだが、それはどのように回避するのだろうか。

 そして、最後に桜木が「あとは英語だけだ」というような発言をしたが、現代文や小論文はどうするのだろうか。特に現代文は教えるのが一番難しい科目だと思うので、これをどのように教えるかが楽しみだったのだが、古文を教えていた芥山龍三郎(寺田農)が指導するのか。画期的な現代文の指導をぜひ見たい。

「恋の予感」

 巧(成宮寛貴)たち3人家族の周囲の人々が澪(ミムラ)の存在を少しづつ感じ始めていて、今後澪がどういう状況に置かれるかがとても興味深い。特に万里子(岡本綾)や、澪の母である涼子(三田佳子)らとの関係がどうなるかが楽しみだ。

 今回、澪が自転車に乗れないことを覚えていなかったというくだりがあったが、これは、記憶喪失という設定を上手く生かしていたように思う。一方で、彼女が蘇ってきた人間であるという点についてはまだ、あまり生かしきれていない気がするので(夫婦だった二人が再び恋をするという所で生かされているが、もうひとひねりほしい)、それを上手く使ったストーリーになることを期待したい。

 とはいえ、回想シーンにおける巧(福本有希)と澪(黒川智花)の接近に合わせて、現在の二人の距離も縮まっていくという全体の流れは無理なく構成されている。今後も過去現在両方の二人を見守って行きたい。

「壁にぶつかるまで我慢しろ」

 桜木(阿部寛)率いる特進クラスに、桜木の恩師である“東大数学の鬼”柳鉄之介(品川徹)が迎えられた。昔ながらのスパルタ教育、詰め込み教育主義者で、矢島(山下智久)ら生徒の反発を受けるものの、さすがは鬼というだけあって、やっていること自体は納得できる。

 息抜きも兼ねた「トランプ勉強法」も面白いが、なんといっても真骨頂は「問題解答同時プリント」である。実際に解くのではなく、解き方を頭の中で考え、3分たったら答えを見て確認という方法はとても理にかなった勉強法である。これに類する勉強法はすでに和田秀樹らによって提唱されているので、特に目新しいわけではないが、それだけに説得力があった。

 数学はとにかく数をこなすことが必要なので、計算部分を省略し、ひたすら解き方を勉強するというのは、限られた勉強時間を有効に利用する方法だろう。個人的には、この勉強法にいたる前の、基本的な公式類を習得する段階における斬新な勉強法を提示してほしかったのだが、それは普通に勉強しろということか。普通に教えて彼らがこんなに早く習得できるとは思えないのだが……

 ところで、今回、桜木が東大出身でないことが明らかになった。桜木が東大卒であるならば、東大を出れば良い生活が送れるという彼の主張は、彼自身の置かれている状況(水道代も払えないほどの苦しい家計)と矛盾する、というようなことを以前、どこかに書いた記憶がある。しかし、桜木が東大卒でないとなると、東大に行けという主張は、彼自身の経験を通してのメッセージなのだろう。それならば大いに納得できる。

「母の愛」

 巧(成宮寛貴)、澪(ミムラ)、佑司(武井証)の三人家族は、また家族らしくなった。このように、毎回少しづつ本当の家族に戻ってゆくのだろう。このスピードでいくと、完全に打ち解けたときに別れが訪れるのかもしれない。

 このドラマを見ていると、幸せになる過程こそが幸せなのかもしれないと思う。現在放送中のドラマ「幸せになりたい!」を見ていても同様のことを感じる。家族が形作られてゆく過程は、少しずつ幸せになる過程であり、その小さな幸福の連続が実は何よりも大きな幸福なのかもしれない。

 本作の三人は、幸せそうでありながらも、少しづつ負の部分を背負っている。その面は時々しか描かれないが、そういう負の部分があるからこそ、家族との生活がより豊かなものになり、また、家族の結びつきを強めているのだろう。そして、そのマイナス面は家族の力によって少しづつ薄らいでゆくのではないかと思う。

 まだまだ、中盤に差しかかったぐらいだが、これからの三人の変化が楽しみだ。同時に、巧と澪の過去の物語も気になる。他にも謎が多いので、楽しみに見ていきたい。

 ところで、巧の回想シーンの中で、澪の名前の入った封筒が陸上部の人気選手の封筒の束の中に紛れていた。あれは、なぜなのだろうか。澪は巧のことを好きなのだろうから、四葉のクローバーは巧だけにあげたのだと思うが、人気選手にも封筒を渡したのはなぜなのだろう。きっとあの中には四葉のクローバーはないだろうけれども、好きでもない相手にプレゼント(手紙?)を渡すとは思えない。何か理由があるのか。それとも、彼のことも好きなのだろうか。

「遊べ!受験はスポーツだ!」

 桜木(阿部寛)は雰囲気こそウサン臭いものの、やっていることは他の登場人物の誰よりもまともだ。特に、他の教員の行動の幼稚っぽさといったら……。それゆえの龍山なのだろう。

 桜木率いる「特進クラス」には、新たに水野(長澤まさみ)が加わり、計五人となった。その五人の中でリーダー的な存在になっているのが、矢島(山下智久)である。彼は、桜木に300万円で買われたわけだが、彼をクラスに引き込んだのは、300万以上の価値があった。彼は途中であきらめかけた、緒方(小池徹平)や香坂(新垣結衣)を繋ぎとめ、彼らのヤル気を出すきっかけとなったのである。おそらく、桜木が矢島をあそこまでして引き入れたのは、彼の性格を見込んでのことだったのだろう。

 桜木による、勉強はスポーツだという意見は理解できる。秀明館高校の教員である山本(矢沢心)のカレシ候補の一人、東大卒の田中(村上大樹)が反復練習によってボーリングを上達させていたのは、勉強においても反復練習が大切であるということを表していたのだろう。事実、スポーツも勉強も反復が必要であるという点では似ている。

 ただ、「数学は瞬間的に、自動的に、機械的に解け」という桜木の教えは納得しがたい。基礎段階での限定的な場合のことであるならば、賛成できるが、これが東大の問題となるとそうはいかないだろう。東大入試の合格点が低いのは、公式を覚えているだけで反射的に解けるような問題が出題されないからである。東大入試に必要なのは、公式を公式として覚えるのではなく、公式の成立過程を理解し、自分なりに咀嚼することではないだろうか。だから、公式を覚えて機械的に解くことは、初期段階おいては必要なことだろうが、今後もこのやり方で東大に合格できるとは思えない。また新しい勉強法が出てくることを期待する。

 それにしても、あの数学のテストはさすがに無理だろう。高校数学の問題というから、高1程度なのかと思っていたら、高3レベルの問題だった。しかも、対数・三角関数・微積分・数列・行列と、数III数Cの範囲まで入っているようだ。100問程度あったようだが、それを20分で解くというのは、東大合格者でも無理だと思う。100問だとすると、一問12秒で解かなくてはいけない。小中学校レベルの単純な計算問題ならまだしも、高校最高レベルの問題をそんなスピードで解ける人がいたら、ギネスものだろう。

 さらに、机の上には、問題用紙のみで、計算用紙が一枚もない。その問題用紙も、各問の間は1、2行しかなく、解答を書き込んだらそれだけで埋まってしまう。どう考えても暗算で解けるような問題ではないのに、計算スペースが全くないというのは理解できない。あのレベルの問題であれば、計算用紙を別に用意するか、あるいは、問題の間のスペースを十分にとるのが当然だろう。時間を考えると暗算でやるしかないから、計算スペースなど必要ないということかもしれないが、おそらく、プロの数学者でもあの問題を暗算で解ける人はいないだろうし、20分で100点をとれる人はいないだろう。

 あのテストで半分も取っていれば、その時点で数学の学力は相当のレベルに達していると思われる。小中学レベルで四苦八苦していた人間が、一気にそのレベルに達するとは思えない。あの中には、三角関数を積分する問題まであったが、あれを解くためには、三角比・三角関数・微分・積分を理解していなくてはいけないし、それを理解して解けるようになるには、式の計算や方程式、1・2次関数などのより基本的な部分も押さえてなくてはいけない。5日程度では絶対に不可能だ。

 ああいう問題を出題しておきながら、教頭を中心とする反桜木の教員たちは、結果を不安げに待っていたが、はじめからあの問題が解けるわけがないというのが分からないのだろうか。万が一にも、などという可能性は皆無だ。採点の結果は描かれなかったが、もし、1問でも正解していたとしたら、それは本当に奇跡だろうと思う。

「約束」

 巧(成宮寛貴)と澪(ミムラ)の夫婦のキャストに不安を抱いたのが申し訳ないぐらいに良く似合っている。巧と佑司(武井証)の親子の関係も、見ていて微笑ましい。こんなにも互いのことを信頼し、思いやれる親子はなかなかいないだろう。

 映像表現もとてもきれいで、見ていて癒される。それでいて、ストーリーは起伏に富み、冗長になることもない。このように落ち着いて見たくなるドラマというのは久しぶりのように思う。ドラマを見るときは大抵、他のこと(雑誌などを読みながらとか)をしているが、このドラマの場合は、集中して見ていたい。集中して、とはいうものの、肩肘を張らずに「眺める」という感じがちょうど良い。

 今回、巧(学生時代も含めて)と佑司(とくに佑司)の置かれた状況は見ていて辛くなるほどのものであったが、それだけに、佑司の強さと二人の絆の深さが良く伝わってきた。そして、終盤において、その絆の中に澪が加わり、少しづつ家族としての結束が生まれてきたように思う。

 さらに、「家族で隠し事はしない」という約束により、今まで澪に対して腫れ物に触るような接し方だった巧も、夫婦としての接し方に戻りつつあるようで、今後の三人の生活と、それを取り巻く周囲との関係性の変化が楽しみだ。

「授業参観」

 やはり、ただの純愛ドラマとはいえない、謎に満ちた作品で面白い。映像表現も幻想的で、全体的にゆったりと心地よい雰囲気である。そのように緩やかな流れではあるものの、今後の展開を考えると油断していられない。

 当面は、巧(成宮寛貴)、佑司(武井証)、澪(ミムラ)の三人の生活が物語の中心になるのだろう。だが、本作の最大の焦点は、澪の存在である。彼女が本当の澪なのか、そうだとしたら、どうしてよみがえることができたのか。その謎が最終的に解き明かされるのだろう。

 今回、巧と澪の子供時代が描かれたが、これは次回以降も続くようで、何か重要な意味があるように思われる。また、巧が病院に通っていることもポイントになりそうだ。そして、澪が遺した絵本も。

 まだまだ謎が多くて、これからに期待できる。たくさんの謎があるにもかかわらず、まるで、それらが存在しないかのような、ゆっくりとした展開にも無理がなく、成功していると思う。3人の関係の変化と澪の謎を楽しみに見つめていきたい。

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