双条光華のエンタメ一刀両断!でタグ「森崎ウィン」が付けられているもの

 今年の夏ドラマの中で、現在視聴中なのは「太陽と海の教室」「シバトラ ~童顔刑事・柴田竹虎~」「学校じゃ教えられない!」「四つの嘘」「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」「恋空」「33分探偵」「ここはグリーン・ウッド ~青春男子寮日誌~」の7作。これにプラスして「炎神戦隊ゴーオンジャー」「仮面ライダーキバ」の特撮2作、「花ざかりの君たちへ ~花様少年少女~」「ろまんす五段活用 ~公主小妹~」の台湾ドラマ2作、「24 Season 5」「LOST2」「HEROES」の長編ドラマ3作。いずれも地上波もしくはBSでの視聴だが、すべて録画したものを見ているので、放送のタイミングとはズレてしまっている。

 中間レビューと言うには少し遅い時期になってしまったが、個別レビューを始める前に、現段階での一通りの感想を書いておこうと思う。

 ということで、今日は「太陽と海の教室」「シバトラ」「学校じゃ教えられない!」の3作について簡単にまとめておく。

太陽と海の教室

 第4話まで視聴済み。
 月9では久々の学園ドラマ。日テレで「14才の母」「バンビ~ノ!」などのプロデューサーとして活躍していた村瀬健のフジ移籍第1作である。

 湘南を舞台に繰り広げられる高校生たちの青春群像がなんともすがすがしく、見ていてほほえましい良作といえる。若手俳優たちの爽やかさもよいが、織田裕二扮する櫻井朔太郎の哲学的な言動がこのドラマの肝であり、タレントを集めただけのワイワイ学園ドラマとは一線を画した作品になっている。
 学園ドラマの定石ともいえる、主人公の教師と校長(もしくは教頭や理事長)との対立、主人公の肩を持つ教頭(もしくは校長や理事長)という構図は、本作でも同様で、朔太郎を呼び寄せた校長の長谷部杏花(戸田恵子)以外の教員は理事長の神谷龍之介(小日向文世)側に付き、朔太郎を邪魔者扱いしている。本作では、長谷部の娘である榎戸若葉(北川景子)を朔太郎が担当する3年1組の副担任につけるということで、定石に味をつけているようだ。さらには、その若葉に結婚を迫る川辺英二(山本裕典)というキャラクターを用意している。

 物語は3年1組の生徒たちを中心に、進学と恋愛を絡ませながら展開していく。主要な生徒一人一人が何らかの問題や悩みを抱えているというのは、どんなドラマにもよくある設定だが、本作はそれらをバラバラに処理することなく、ある一つの方向に向かって収束させていこうという意志が見える。学ぶことの本質的な意味とは何か。人生における高校生活の意義とは何か。直接的な表現こそされないものの、学歴至上主義の現代に生きる人たち(特に高校生たち)への強いメッセージが感じられるのである。

 キャストについてふれると、根岸洋貴役の岡田将生は正統派の美少年だが、ちょっと頼りない雰囲気がいい味を出していて良い。白崎凜久役の北乃きいは「ライフ」の印象が強いが、勝ち気に見える顔つきは今回の役にも活かされている。田幡八朗役の濱田岳は、もはやこの手の役回りには唯一無二のポジションを確立したと言っても過言ではない。屋嶋灯里役の吉高由里子は「あしたの喜多善男」のイメージそのままのファム・ファタール(魔性の女)っぷりがハマっている。楠木大和役の冨浦智嗣は、だいぶ大人っぽくなったが、声の魅力は前と変わらず安心(笑)ただ、長髪はイマイチ。日垣茂市役の鍵本輝(Lead.)は、熱血っぽさが似合っている(本業の歌手としての注目度が低いのは問題)。澤水羽菜役の谷村美月は、ミステリアスな雰囲気を感じてしまうが、優等生らしい冷たさ加減が良い感じ。川辺英二役の山本裕典は、派手な茶髪がよく似合う。三崎雅行役の中村優一(D-BOYS)は、もっと快活な役柄の方が良い。役とはいえ、髪型に違和感アリ。

 ちなみに、公式サイトを見ていて驚いたのは、北川景子演じる榎戸若葉が東大卒の才女だということ。どう甘く見ても東大卒とは思えない。そもそも東大卒という設定に意味があるのだろうか?ドラマの中での描写を見ても、東大卒とは思えないし、東大卒の設定なら北川景子はミスキャストだろう。東大卒という設定さえなければ、何の文句もないのだが・・・。

シバトラ ~童顔刑事・柴田竹虎~

 第7話まで視聴済み。
 安童夕馬・朝基まさしによるコミックを原作とした刑事ドラマ。タレントの力(人気)によりかかっただけの駄作。

 シバトラこと柴田竹虎(小池徹平)による潜入調査の中で起こる事件を一つのエピソードにつき3話程度のボリュームを持って進めている。主演の小池徹平は童顔刑事という設定にピッタリで、22歳だがまだまだ高校生役でも問題なくいけるだろう。

 そういう意味では、変装や演技の力を求められる潜入捜査というのは、役者という仕事と共通しているのかもしれない。だとすれば、本作において、小池徹平は刑事としての竹虎を演じた上で、さらに潜入する上での役柄をも演じるという、二重の演技をしていることになる。そして、その二重の演技にこそ面白さが生まれるはずだ。
 しかし、たとえば第一のエピソードにおける高校への潜入捜査では、小池自身があまりに高校生らしすぎた結果、何の違和感も面白さも感じさせないままストーリーは展開してしまった。今までのところでは、メイド喫茶への潜入により女装した時だけが、笑わせる要素を含んでいたと思うが、それでも意外と似合っていたのだから、困ったモノだ。
 まあ、そもそも童顔刑事という設定であるために、無理のある潜入捜査を描いたコメディーとはなり得ないわけだし、原作もそれを狙っているわけではないだろう。だから仕方がないのだけど、ドラマ化するのであれば、変装の違和感をうまく演出してコメディータッチにしても良かったのでは?と思ってしまう。

 というのも、作中の事件や登場人物たちの人間関係・過去などには重い要素を盛り込んでいるにもかかわらず、それらの描写はあまりに表層的で、深みが感じられないのだ。独特のメッセージ性を含んでいるわけでもないのだから、もっと笑えるドラマにした方が良かっただろう。過去に傷があるという設定だけで物語に重厚さを感じるほど、視聴者は単純じゃない。

学校じゃ教えられない!

 第3話まで視聴済。
 「女王の教室」「魔女の条件」などでおなじみの脚本家遊川和彦によるオリジナル脚本作品。

 名門女子高に5人の男子が入学したことから物語は動き出す。英語教師の相田舞(深田恭子)はその5人と、問題を抱えた5人の女子を社交ダンス部に入れるが、校長の氷室賢作(谷原章介)や校長代理の影山盟子(伊藤蘭)は、社交ダンス部を認めない。舞は、一見頼りなさげだが、芯のしっかりしたタイプで、社交ダンス部を存続させるべく行動していく。

 “性”を前面に出した内容のため、その過激さが問題となって子供に見せたくない番組にランクインしているそうだ。遊川は、「女王の教室」に代表されるように、ドラマのジャンルの既成概念を覆すような作品を書いている。本作もいわゆる“学園ドラマ”の安心感と説教臭さを真っ向から否定した学園ドラマなのではないだろうか。さらには、ドラマはあくまでもエンターテインメントであり、教育ツールではないという理念が感じ取れるような気もする。カタく考えずに楽しもうよ、そんな声が聞こえてくるようだ。

 メインの生徒が10人というのは、いささか多すぎるようにも感じるが、一人一人のキャラクターが確立しており、それぞれの個性が活きている。中でも注目すべきは水木一樹(中村蒼)、見城瞳(朝倉あき)、横山永璃(仲里依紗)、西川叶夢(森崎ウィン)の4人だ。一樹と瞳は社交ダンス部の中心的存在で、客観的な視点で他のメンバーの恋愛や悩みを見つめている。その裏にあるのは、この二人は恋愛ということにおいて、蚊帳の外にいる存在だという点だろう。一樹は叶夢のことを好きになってしまったが、永遠に伝えないと決めている。パートナーの瞳は結果的には取り残されたことになる。恋は盲目とよく言うが、恋から一歩離れたところにいる二人だからこそ、自然と冷静な言動をとってしまうのだろう。逆に永璃は、まさに恋多き女であり、それゆえに盲目である。彼女と叶夢の向こう見ずな行動と、一樹と瞳の冷静さが重なることによって、物語の魅力が生まれているのだ。

 楽しんでみられる良作だが、演技の拙さや映像処理の粗さ(カットの切り替わりに違和感を感じるなど)が目立つ。全体的に荒削りなのがもったいない。

 キャストに関して言えば、中村蒼は「名前で呼ぶなって!」で初めて見て以来、注目中。ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト出身でバーニング系列のレプロエンタテインメントに所属している。事務所の力もあるだろうが、すでに「BOYSエステ」で連ドラ主演、「ひゃくはち」で映画主演を果たしている。声の重さ(低さ)が気にかかるものの、これからの活躍が期待できる注目株だ。また、成田静也役の前田公輝や仲里依紗についても今後を期待したい。

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