双条光華のエンタメ一刀両断!でタグ「成宮寛貴」が付けられているもの

「三角関係」

 現在の巧(成宮寛貴)と澪(ミムラ)の恋は、学生時代の巧(福本有希)と澪(黒川智花)の恋と重なり、また一つ夫婦へと近づいた。

 ゆったりとした流れに変化はないが、冗長に感じられることもなく、やはり心地よい。その理由がどこにあるかは難しいが、一つには登場人物たちにあるのではないかと思う。このドラマの登場人物たちは皆、他人想いである。憎しみは微塵も感じられないし、争いも起こらない。

 それゆえに、非現実的で偽善的な印象を与え、反発を感じさせる可能性もある。しかし、それほど批判的な意見がみられないのは、ファンタジー作品であるからとも考えられるが、我々が心のどこかでこういう世界を求めているからなのかもしれない。争いもなく、誰もが周囲の人間のことを考えて行動している世界。現実には存在し得ない、空想世界だと知りながら、いや、空想だと分かっているからこそ惹かれるのだろう。

「恋の予感」

 巧(成宮寛貴)たち3人家族の周囲の人々が澪(ミムラ)の存在を少しづつ感じ始めていて、今後澪がどういう状況に置かれるかがとても興味深い。特に万里子(岡本綾)や、澪の母である涼子(三田佳子)らとの関係がどうなるかが楽しみだ。

 今回、澪が自転車に乗れないことを覚えていなかったというくだりがあったが、これは、記憶喪失という設定を上手く生かしていたように思う。一方で、彼女が蘇ってきた人間であるという点についてはまだ、あまり生かしきれていない気がするので(夫婦だった二人が再び恋をするという所で生かされているが、もうひとひねりほしい)、それを上手く使ったストーリーになることを期待したい。

 とはいえ、回想シーンにおける巧(福本有希)と澪(黒川智花)の接近に合わせて、現在の二人の距離も縮まっていくという全体の流れは無理なく構成されている。今後も過去現在両方の二人を見守って行きたい。

「母の愛」

 巧(成宮寛貴)、澪(ミムラ)、佑司(武井証)の三人家族は、また家族らしくなった。このように、毎回少しづつ本当の家族に戻ってゆくのだろう。このスピードでいくと、完全に打ち解けたときに別れが訪れるのかもしれない。

 このドラマを見ていると、幸せになる過程こそが幸せなのかもしれないと思う。現在放送中のドラマ「幸せになりたい!」を見ていても同様のことを感じる。家族が形作られてゆく過程は、少しずつ幸せになる過程であり、その小さな幸福の連続が実は何よりも大きな幸福なのかもしれない。

 本作の三人は、幸せそうでありながらも、少しづつ負の部分を背負っている。その面は時々しか描かれないが、そういう負の部分があるからこそ、家族との生活がより豊かなものになり、また、家族の結びつきを強めているのだろう。そして、そのマイナス面は家族の力によって少しづつ薄らいでゆくのではないかと思う。

 まだまだ、中盤に差しかかったぐらいだが、これからの三人の変化が楽しみだ。同時に、巧と澪の過去の物語も気になる。他にも謎が多いので、楽しみに見ていきたい。

 ところで、巧の回想シーンの中で、澪の名前の入った封筒が陸上部の人気選手の封筒の束の中に紛れていた。あれは、なぜなのだろうか。澪は巧のことを好きなのだろうから、四葉のクローバーは巧だけにあげたのだと思うが、人気選手にも封筒を渡したのはなぜなのだろう。きっとあの中には四葉のクローバーはないだろうけれども、好きでもない相手にプレゼント(手紙?)を渡すとは思えない。何か理由があるのか。それとも、彼のことも好きなのだろうか。

「約束」

 巧(成宮寛貴)と澪(ミムラ)の夫婦のキャストに不安を抱いたのが申し訳ないぐらいに良く似合っている。巧と佑司(武井証)の親子の関係も、見ていて微笑ましい。こんなにも互いのことを信頼し、思いやれる親子はなかなかいないだろう。

 映像表現もとてもきれいで、見ていて癒される。それでいて、ストーリーは起伏に富み、冗長になることもない。このように落ち着いて見たくなるドラマというのは久しぶりのように思う。ドラマを見るときは大抵、他のこと(雑誌などを読みながらとか)をしているが、このドラマの場合は、集中して見ていたい。集中して、とはいうものの、肩肘を張らずに「眺める」という感じがちょうど良い。

 今回、巧(学生時代も含めて)と佑司(とくに佑司)の置かれた状況は見ていて辛くなるほどのものであったが、それだけに、佑司の強さと二人の絆の深さが良く伝わってきた。そして、終盤において、その絆の中に澪が加わり、少しづつ家族としての結束が生まれてきたように思う。

 さらに、「家族で隠し事はしない」という約束により、今まで澪に対して腫れ物に触るような接し方だった巧も、夫婦としての接し方に戻りつつあるようで、今後の三人の生活と、それを取り巻く周囲との関係性の変化が楽しみだ。

「授業参観」

 やはり、ただの純愛ドラマとはいえない、謎に満ちた作品で面白い。映像表現も幻想的で、全体的にゆったりと心地よい雰囲気である。そのように緩やかな流れではあるものの、今後の展開を考えると油断していられない。

 当面は、巧(成宮寛貴)、佑司(武井証)、澪(ミムラ)の三人の生活が物語の中心になるのだろう。だが、本作の最大の焦点は、澪の存在である。彼女が本当の澪なのか、そうだとしたら、どうしてよみがえることができたのか。その謎が最終的に解き明かされるのだろう。

 今回、巧と澪の子供時代が描かれたが、これは次回以降も続くようで、何か重要な意味があるように思われる。また、巧が病院に通っていることもポイントになりそうだ。そして、澪が遺した絵本も。

 まだまだ謎が多くて、これからに期待できる。たくさんの謎があるにもかかわらず、まるで、それらが存在しないかのような、ゆっくりとした展開にも無理がなく、成功していると思う。3人の関係の変化と澪の謎を楽しみに見つめていきたい。

「6週間の奇跡」

 最近多い、ヒット小説の再々利用ドラマ。成宮寛貴とミムラという夫婦の組み合わせに不安があったが、意外と無理なく見られた。ただ、秋穂巧(成宮寛貴)と息子の佑司(武井証)の様子を観ていると、親子というよりも、兄弟っぽかったが、まあ、それはそれで悪くはないと思う。

 この手の再利用モノにはあまり期待しないのだが、予想以上によい出来だった。主要人物を紹介し、その関係性を描き、今後のストーリーへの期待を持たせるというのが初回の役割だが、その点うまく押さえていたと思う。

 原作・映画とも未見だが、妻である澪(ミムラ)が残した絵本と現実とがリンクしているというのは、原作通りなのだろうか。ありがちな設定ではあるが、物語の不思議さを強める役割を果たしていて良かった。

 初回を見た段階では、雨の日に現れた澪は本物ではないようだ。彼女が本当の澪でないならば、今後の3人の関係性の変化が気になるし、彼女が本物であったならば、それもまた不思議なストーリーで魅力がある。どちらでも面白そうで、期待できる作品だ。また、物語の不思議さに調和した、幻想的で美しい映像も心地よかった。

 原作者の市川拓司は純愛ブームの中の作家として人気を集めているが、彼は単なる純愛物語を描くのではなく、ミステリや幻想小説などに近い一ひねりを加えることによって、作品の魅力を高めているように思う。この作品もそのような特長が表れているようで、今後の展開に期待したい。

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